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奇跡の価値は?【まどマギ感想】  

我妻由乃と比較してさんざん笑い倒していますが、暁美ほむらは結構好きです。

彼女がなんどもなんども時間を飛びまくったことには、どのような意味があったのか?
BGMを聞き狂ってるうちに意外なものが見えてきました。

なお、私はまどマギをかなり批判的に見ています。(世界観は美しく幻想的で大好きです)
今回もキュゥべえはくそみそに言われます。
まどマギやほむらやキュゥべえをちょっとでも馬鹿にされたくない方はUターンしてください。



いや、
「永遠の迷路に閉じ込められても構わない」とか言った舌の根も乾かないうちになんで諦めてるんだよww
とか
ワルプルギスを本気で倒したいなら巡航ミサイルとか持って来いよ。できるだろwww
とか言う妥当すぎる突っ込みは置いておきます。


ほむらの成し遂げた奇跡、それは「まどかに考える猶予を与えたこと」です。

キュゥべえの仕事は絶望エネルギーを集めて回ることです。
そのために魔法少女の資質がある者に「営業」して回っています。

もっとも、彼の営業としての能力は決して高くありませんが・・・これは後述します。


そのキュゥべえがスカウトした5人の登場人物の中で、ただ一人異質の存在(なかまはずれ)がいます。

誰だと思われますか?






















まどかです。

まどかだけは「命に代えて成したいほどの強い願い」を持っていません。
何で魔法少女になっているのかもよくわかりません。
劇中の台詞から推察すると「とりえのない私だけど人の役に立ちたい」程度です。
そもそも第1話のまどかと第10話のまどかの性格が違うのでなんともいえませんが・・・
まどかが魔法少女になるほどの強い動機は、私は発見できませんでした。wikiにも記述がありません。

※ご存知の方がいらっしゃったら教えて下さい。



他の4人の魔法少女は、選択の余地がないほどに追い込まれているときになし崩し的に契約させられています。
そのまま「考えさせない」で絶望まで追い込むのが詐欺システム・魔法少女です。
ところが、まどかだけは考える余裕をもっていて、その結果キュゥべえがお飯の食い上げになるようなとんでもないお願いをしてしまいます(※)。
キュゥべえの立場からすれば、作中時間軸(10話以外)のまどかは、本来は「コイツとだけは絶対に契約してはならない」ブラックリストの中のブラックリストに入るレベルの最悪物件です。
なぜなら、魔法少女になられたら最も都合が悪い人間が、どうしようもないくらい最強な魔法少女としての力を有しているから。

※キュゥべえ自体は再就職に成功していますが、詐欺システム・魔法少女はぶち壊されています。


ところが、キュゥべえはノーテンキにまどかに執拗に契約を迫り続けます。
まどかの魔法少女としての潜在力が「ありえないくらいに高い」から。
つまり、営業キュゥべえは未曾有の業績に目がくらんでしまったわけです。

では、まどかはなんでそんなに超強力な潜在力を持っていたのか?
これは11話で説明されています。ほむらが時間を飛びまくったからです。


インキュベーターの求めるエネルギーは「強い因果を背負うものほど強い」ものです。劇中の展開を見る限り、多くの人間の命運を背負っていて、ソレを自覚している者ほど魔法少女としての力も強く、かつ、希望は命運に強く制約されて心が病み続けるから悲劇に終わる、という傾向があります。
だからインキュベーターにとって絶好のカモになりうる、という図式です。

ところが、まどかだけは背負った命運の自覚がありません。
このため、因果の縛りが外れた状態で、つまり心も健全なまま「願いを自由に考えられる」立場を手にしています。
ただし、今までの魔法少女は例外なく命運の分だけドツボにはまりやすかったわけで、有能ではない営業のキュゥべえ君はまどかのようなイレギュラーは当然想定できません。
まどかの潜在力の数値だけを見て、「希望の分だけ絶望になる、ちょろいっ!」とかいうノリでいたものと思われます。

その数値の「質」について、キュゥべえは11話で真相にたどり着いています。
ですが、その意味するところを考えずノーテンキに「お手柄だよ、ほむら」などと言っています。
まどかのもつ魔力エネルギーは、それだけ魅力的な数値だったのでしょう。
少し後に彼が受けるしっぺ返しを思うと、笑うしかありません。

逆に言えば、「お手柄」と錯覚させた事実そのものが、ほむらが足掻きぬいた果てに手にした果実です。
状況にダメ押しをしたのはまどかですが、状況を作ったのはほむらの地道な戦いの結果に他なりません。


そもそも、ほむら絡みの因縁がない場合、第1話に登場したまどかはエントロピーを凌駕するほどの望みを持ちうるのでしょうか?10話の存在と同一であれば持っていてもおかしくないのですが、まどかに「だけ」魔法少女になるほどの強烈な動機が見当たらず、10話の存在ともかなり性格が違うのでなんともです。


このように、数値に囚われたキュゥべえ君は取り返しのつかない自爆をしてしまいました。
彼が魔中年にならないか、とても心配です。


でも、これは全部彼の自業自得でもあります。
まどマギ全編を通じて、キュゥべえは間抜けな悪役です。
必要のないことをべらべらしゃべりすぎている時点で、彼がインキュベーターにもたらした被害は甚大です。
しかし、彼は他にもやらかしています。


インキュベーターの魔法少女システムは、第二次性徴期の「未熟な」女の子をターゲットにした詐欺システムです。
心の平衡を欠くようなパニックに陥っているときに心の隙につけこみ、契約させます。
契約させたあとも、絶望させるためには心の平衡を欠かせ続けることが重要になります。
このため、少女同士が相互に連絡を取り合ったり、少女自身が成長してよけいな知恵をつけると、システム自体が立ち行かなくなる危険があります。
ですので、インキュベーター社の基本戦略は「1地区に魔法少女を一人だけ配置して短期間に使い倒す」になります。

なのに・・・


見滝原には魔法少女が最大3人も集まってしまっています。
まどかは4人分の魔法少女の生き様を見て、学習してしまっています。
ほむらに至っては、「成長できる」時間をわざわざ与えられてしまっています。


キュゥべえ、ダメダメすぎる営業じゃね?
なんでコイツはこうなのでしょうか。

彼一人のためにインキュベーター社は致命的な損失をこうむっています。
キュゥべえこそがインキュベーター一族のガンに他なりません。
なんでコイツはこうなのでしょうか!?


ということで、ほむらはキュゥべえを積極的に狩る必要は実はありませんでした。
狩りすぎてインキュベーターが優秀な営業を後釜に送り込んできたら、それこそ打つ手がなくなります。


こうしてみると、
まどかマギカ=詐欺会社のヘボ営業とアホ中学生のしょーもない局地戦を壮大っぽく美しく描いた話

といえそうです。



【蛇足】
由乃が魔法少女だったら?とふと考えたのですが、
ストックがなくなるまでキュゥべえを狩りつくされ破産したインキュベーターが、更に本国まで逆侵攻されて泣きが入る構図しか浮かびませんでした。



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(由乃侵攻のイメージ。インキュベーター本国はこのあと阿鼻叫喚に包まれることでしょう。ちょろいっ!)











・・・と見せかけて、実は蛇足でもありません。



ほむらは立ち位置が前座で、努力の方向がそもそも間違っていたり勝手に諦めたり、私から見て「ちょwwwオマエ伸び代あるのになんで?」な存在です。ひたむきだけど足りてない子。

覚悟をまとった姿がどんなに美しかろうと、これは変わらない事実です。



でも。


だからこそ。




追撃者がほむらという滑稽な愚者だから、キュゥべえはほむらをそこまで脅威には感じませんでした。
その油断が、付け込む千載一遇の隙を生みます。

11話の絶望的な状況は、キュゥべえを必殺の罠に引きずり込むダメ押しとして機能しています。
ほむら本人も意図しない形で。

これは、我妻由乃では届かない刃です。
なまじ優秀なので、警戒されてワルプルギスが来る前に対策をとられてしまいます。
※ただし、別の形で対策ごと粉砕する可能性は当然あります。



ほむらだから届いたのです。
コンプもちが泥臭くあがき続けたから。努力が徒労に終わりかけた無様な人間だから。

キュゥべえの詐欺で殺されていった人たちの無念に心をえぐられ続け、全てを賭けたボロボロのほむらだからこそ、ここぞの瞬間に意地が届いた。キュゥべえを逆にペテンにかけることができた。

もちろん、ゴールを決めたのはまどかです。
ほむらは縁の下で状況を作っていたので、どうしても割を食います。
まどかという華やかな大輪に比べると、ひっそりと咲く地味な花に過ぎません。


でも。
そのひそやかな一輪の奇跡には、心に残る美しさがあります。


7e072df0.jpg

なお、「Puella magi」というのは実は間違っているらしく、正しくは「Puella maga」だそうです。


ほむらの10話の活躍をもう一度見たくなった方はこちら
コネクトをもう一度聴きたくなった方はこちら

Magiaをもう一度聞きたくなった方はこちら







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コメント

こんばんは
>まどかだけは「命に代えて成したいほどの強い願い」を持っていません。
>何で魔法少女になっているのかもよくわかりません。

確か、BD特典のドラマCDによると初回(1週目)の動機は
「車に轢かれた猫を助けるため」
だったはずです

そのほかの周回については不明です

よほど猫が好きなのか、事の重大性を全く理解できていないのか
おそらく後者だろうと思います

旭山のカピパラ #vhaQw4H2 | URL
2012/03/27 20:55 | edit

なるほど!そうだったのですか。
いかにも、まどからしい理由ですね。理解したあとでもやっぱり「ほむらちゃんを助けられて良かった」と笑うのがまどかなのでしょうが・・・

まどかがそういう人間だからこそ、ほむらの物語も始まったのでしょうね。
コメントありがとうございました。

さわK #- | URL
2012/03/27 23:37 | edit

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