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ガンダムAGE感想 18:卒業式の戦闘  

ゼハート・アセム・ロマリー(とシャーウィーとマシル)の一年半の学年生活は飛ぶように過ぎました。
そして卒業の日、ついにゼハートの正体がばれてしまいます。


ということで、なんで日常をすっ飛ばすんだ!!!とネットでは叩かれてました。
でも、実はものすごく面白いです。とんでもなく面白い。

楽しむポイントや今回の見所などを追いかけていきます。



今回のポイントも色々ありますが、三世代の話として考えると、一番はアセムの卒業スピーチでしょう。

asemu3.jpg

「オレは、ここで過ごした時間を多分一生忘れないと思う。だから友達に、みんなにお礼を言いたい」
この気持ちはゼハートにも共通するものだったようで、アイコンタクトを交わしてゼハートがうなずいています。


asemu_grad.jpgasemu_grad2.jpg

このシーンの対比になるシーンがフリット編にあります。

e612c675.jpg


生まれながらにしてUEとの戦いを運命付けられたフリットには、アセムがスクールで得たような日々は望んでも手に入りません。
子供らしい平和な日常への可能性を象徴した存在として、その日常を共有したユリンがいました。
でも、ユリンはヴェイガンの手で嫌な形で殺されてしまいました。

一方、アセムはその日常を得ることができて、それはヴェイガンであるゼハートと共有されたものでした。
ゼハートも学校を「私の欲していたもの」と表現しています。

フリットにとってのヴェイガンは、日常を奪い去ったもの
アセムにとってのヴェイガンは、日常を共有したものでもある(彼の家を壊したのもヴェイガンですが)

この対比に、ガンダムに象徴される「敵を倒し人を守る存在」としての救世主という概念が絡んできます。


もうひとつ、ゼハートは今回「戦士」という言葉を何度も使っています。
戦う理由をもち強い覚悟を背負い、恐らくは人間の幸せも色々押し殺した存在です。
フリット編で「救世主」と対になる概念が「軍人」でした。

整理すると

救世主(≒ガンダム): 人類を守り人類の敵と戦う存在
軍人          : 敵と戦う存在
戦士          : 戦う自発的な理由を持ち、その目的のために「敵が誰であれ」戦う存在

という構造になります。


でも、戦士ゼハートはそんなに簡単に割り切れるのか?


ここで、今回象徴的に登場したセリフが絡んできます。

「お前のような優しいやつは戦うべきじゃない」

今回、ゼダスRでガンダムを圧倒したゼハートがアセムに言ったセリフです。
「戦うことが、誰かを守る一番の近道さ」という今回前半でのアセムの意見に対する答えでもある。


「やさしいアセム」の対として、ヴェイガンを異星人として割り切れるフリットやウルフ、連邦の軍人たちがいます。
でも、アセム編でガンダムに乗るのは彼らではなく、ヴェイガンを友達と見なせてしまうアセムです。


アセムがどういう答えを出すのか?それはフリットの答えとどう絡むのか。そして、キオにどうつながるのか。
アセム編の根幹はここでしょう。


なお、卒業スピーチのシーンでゼハートが何かを言わせてもらう前に憲兵が来たのも象徴的でした。



このほかの、今回の重要なポイント。

・ゼハートのカルチャーショック
今回のアバンの救出シーンは短いながらも決定的に重要なシーンです。
フリット編を通じ、ヴェイガンは人間の気持ちを軽視し、人間の気持ちのつながりも軽視する人たちとして描写されていました。ヴェイガンであるゼハートにとって、アセムの「たすけられるやつをほっとけなかった」という概念は新鮮なはずです。
そして、これはフリットのいう「救世主」の一面(人を守る存在)にも通底する概念です。
※だからフリットはデシルを殺せませんでした。

逆に言うと、「わざわざ挿入するほどの日常エピソード」はこの部分だけで十分なのでしょう。
1年半分の日常描写は、その日常の結果であるところの現在の対応や写真に凝縮してどうとでもなる部分です。


・憲兵来襲時の対応の、ゼハートとアセムのコントラスト

yokoku-001.jpg

予告のシーンをこう使ってくるとは思いませんでした。鳥肌でした。
ゼハートの方が冷めています。覚悟を背負っている戦士だからだし、感情を重視しないヴェイガンだからでもある。だからゼハートは取り残される。

また、ここで無邪気に「友達だから」と言えてしまうのがアセム固有の性格であるともいえます。
(フリットがどう対応するかはデシルへの対応で若干の推測が可能ですが、フリットにはそもそも宿命抜きで出会えた友達がいなかったわけなので・・・)

友達が敵同士として戦うというのは手垢の付いたテーマですが、AGEでは若干意味が異なります。



・アセム世代の各MSの顔見せと強さの格付け
本来のゼハートの能力>ゼダスR>アセム編のAGE-1>アデル(≒フリット編のAGE-1)
という関係が明示されました。

ゼハートが胴を狙って切ってるのは、わざとかどうかは不明。
頭でない部分を狙うことによる不殺、と言うことでもなさそうで、むしろ効率的な方法を採っていると言う印象。

アセムの特徴も良く出ていました。
天才肌のフリットに比べ、我流の荒削りという印象。
ゼハートの「オヤジのことばかり言っている」という苦言を裏書するかのように、フリットへコンプレックスを感じそうなポイントが埋め込まれています。

というか、14話以降は戦闘シーンは熱いバウトが多いです。

もうひとつのポイントは、アセムがゼハートの「MSの動き」を記憶できたチャンスがあったということ。
今後の戦闘で、刃を交えただけで「この動き・・・!お前ゼハート!ゼハートなんだろ!?」と呼びかけるシーンは出てきそうです。


・ロマリー
ガンダムに乗って飛び出すことが死と隣り合わせなのは今回のアデル2機が示しています。
そりゃ心配して見に来てもおかしくない。



最後に、今回の各所での感想やらゼノタさんのブログで気づいた、AGE視聴の決定的に重要なポイント。

AGEは大河歴史ドラマである

これは「政治的」「軍事的」「歴史的」に重要なイベント描写に重点が置かれることを意味します。
日常の心理描写が軽視されるということでもあります。

言い換えるなら、
× フリットやアセムという少年の成長物語
○ 英雄フリットとアスノ一族の対ヴェイガン戦の物語

もちろん「ガンダム」であることは必要だし、戦争がテーマであることは同じです。
でも、従来のガンダムものとはスタンスが根本的に異なる、ガンダムの皮をかぶった別の何かです。
水滸伝とか三国志とか楊家将とか封神演義のような感覚で楽しんだ方が良い作品だと感じます。


このシリーズで重要なのは、そのときに歴史が動いた「英雄の決断」です。だから、日常描写や心理描写も最低限、かつ、かなり偏っています。


学校がらみだと、切り出すべきシーンは
・接触
・カルチャーショック
・別れ
の3つだけでよかったのでしょう。
なまじ学園モノとして期待してしまうからおかしいことになるわけです。それでも描写のバランスが悪いのは否めませんが。



・オマケ
今回一緒に見ていた友人がいみじくも言いました。

「この人ってウルフの息子?」


20111009185126f24.jpg zehart.jpg

おあとがよろしいようで。
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