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ガンダムAGE感想 番外2: 雑感などなど  

Mixiコミュでの議論や小説版の感想を見て思ったこと、などなど。

このブログでのレビューは、一般でのガンダムAGE評とは視点と前提がかなり異なります。
AGEという作品に興味を持ってこのブログも読み込んで下さった方向けに、思っていることを書きなぐってみます。
解説未満のメモ書きです。

・ガンダムAGEのテーマについて(表テーマ)
極言すると「人間の進化」。
進化=人間が知恵と勇気を振り絞り、困難を克服していくこと(3話のディケとバルガスのセリフより)。

ガンダムシリーズの基本命題である人間同士の戦争(=相互理解)という問題を、どう克服していくのか。
知恵と勇気を振り絞って前に進むことで克服しようとする人間たちの物語である。
このテーマに関連して、救世主、戦争、ガンダム、感情の肯定、ユリンといった要素が絡んでくる。


・救世主と軍人
フリットが言う救世主は「人類の敵を倒して」「人類を守る」存在。
対UE戦だとこの二つの命題は矛盾しない。
対ヴェイガン(人間)戦だと、この二つの命題が真っ向から矛盾する。

また、劇中で「救世主」の対語として使われている概念は「軍人」。
違いは、相手が人間だったときに殺せるかどうか。
すなわち、ヴェイガンを「守るべき人類」の中に入れて考えられるかどうかが重要。

フリット編でのフリットは、相手が生身の人間でない場合は敵と認識して躊躇なく殺しにいっている。
しかし、ヴェイガンだから人間じゃない、とまでは割り切れていない(アラベルやデシルへの態度で顕著)。


・救世主ガンダム(AGE-1)
だいじなひとたちを守るMS。
兵器ではない特別な存在であるのがポイント。
だから、AGE-1とAGE-2は「救世主」と「兵器」として対比がなされるかもしれない。


・フリット編での進歩
ガンダムが出てこなければヴェイガンに一方的に殺されるだけだったので、まず対等なコミュニケーションのスタートラインに立てた、と言ったところ。


・フリット=アスノ
生まれながらにヴェイガンと戦う運命を背負わされた存在、という象徴的な意味がある。
ガンダムシリーズのテーマのひとつは少年の成長だが、フリットの場合は普通の子供ではなく、英雄的な気質を持った特異な存在として解釈した方がよいか?(三国志の国主とか戦国武将みたいな人種)


・ユリンの意味
フリットの人生において、唯一「UEで規定されない世界」の住人たりえた存在。ポイントは15話での回想。

ガンダムを駆って「人類を襲うモンスター」のUEを一掃したあとで、救世主フリットが一人の人間に戻れたかもしれない世界が、ユリンのいた世界。これは13話の時点で9割実現できていた。

だから、15話であの回想を挟んだのは暗喩としての意味がある。
殆んど掴みかけたのにすり抜けていった、救世主としての夢。
ないしは、UEがいなかった世界での少年フリットの可能性の世界。

もちろん、コレが簡単に実現していたらAGEは14話で終わってしまうのであっさりぶち壊される。


そこで・・・


・ユリンの意味2(ララァとの違い)
光る空とは根本から意味が異なる。
ユリンは最初から、14話の戦いで自分が死ぬつもりで出てきている。
戦死ではなく自殺の覚悟。自殺すら出来ないくらいにコントロールを奪われていたのが誤算だっただけ。
根拠は、ユリンが一言も「助けて」と言わず、フリットへの呼びかけも過去形とあきらめに満ちていること。

シャアと共に生きるつもりでシャアを支援する気満々だったララァとは全く違う。


・エミリーとユリン
救世主として突っ走った先にゴール足りえたかもしれないのがユリン。
救世主として突っ走る横でいつも一緒に走っていてくれるのがエミリー。


・感情の肯定
日野作品の大きな特徴は人間の感情を(過度に)肯定すること。
グルーデックは復讐だけで大それたことをやらかす。
ユリンが前線に出てくるのは家族を人質にとられたからではなく、(死を覚悟した上での)フリットへの慕情が原因。
フリット(とグルーデック)に多くの仲間が従うのは、フリットの思い(とソレを裏打ちする勇気と知恵)に、仲間たちが意気に感じたから、として描かれる。

人間の気持ちを軽視する存在としてデシルやギーラが描かれ、ヴェイガンも感情を超越した理性的な存在としてギーラは語る。が、ギーラ自身が感情に強く囚われているのは15話を見ての通り。

感情の肯定自体は悪いことではないが、政治判断や戦略判断の部分がAGEでは細かく描かれない。
感情の方にバランスが偏りすぎているように見えてしまう。これがAGEの欠点。

また、感情は「人をつなげる」「人を対立させる」それぞれの方向の決定的なキーになるものとして位置づけられている。利害関係よりも強力とされるのがポイント。


・「ガンダムAGE」
従来のガンダムと似た構図のガンダムが登場し、似たようなシーンが登場し、人間同士の戦争がテーマで少年の成長があって似たようなライバルがいてヒロインがどこかで見たような構図で死ぬ。

が、これらの要素がAGEでは全く違った意味づけの元で異なる方向にまとめられている。
ガンダムは兵器ではなく救世主。
AGEとは人が世代を重ねること、個人が成長すること、そして機械を進化させるシステムの名称。
ガンダムの名を冠するけど「AGE」な要素で全く別のテーマと結論に話が導かれる。それがタイトルの仕掛けか。


・日野監督の得意不得意
突如降って湧いた、天から与えられた超常の力を取り巻く短期間の人間ドラマのパターンが多いように感じる。
私が知る限りだとジャンヌダルクのジャンヌとリアン、ガンダムを得たフリット、権力を得たフリット、など。
が、その力とじっくり付き合って人間が成長していくパターンを見た覚えがない。
また、「人間」も厳密には英雄型の人間であり、使命を背負わされるのが前提。

逆に、普通の人間の長期間の成長や葛藤は描けないのかもしれない。



・小説について
補完点を見た限りだと、従来の「少年の成長としてのガンダム」を描いているという印象。
アニメ版はガンダムの名を借りた英雄物語なので、ウルフが「ガキが戦場」云々をいうのは実はおかしい。
アニメでは、フリット=横山三国志の劉備or蒼天航路の曹操、ウルフ=趙雲とか許褚、のようなものだと思う。


・ガンダムAGEのテーマについて(裏テーマ)
救世主物語。
普通の人間ドラマとも戦争ドラマとも似て非なるものなのがミソ。



・つまり
AGEはやっぱり、最後でコケるかもね。


成長がテーマなんだけど、劇中で蓄積が描けない可能性があるから。
フリット編みたいな短いスパンだとばれないけど、25年たってソレかよ!というところでボロが出る恐れがある。


それでも・・・


・このブログの目的
ガンダムAGEという作品の随所に埋め込まれた、作り手の工夫を紹介すること。
この工夫を見つけると、ガンダムAGEという作品を楽しむ桁が変わる。

AGEの長所は、人間の感情とコミュニケーションを真っ向からとても丁寧に描写してくること。
毎回、工夫や仕込みを発見すると新鮮な感動がある。

この点では、ガンダムAGEは今までのガンダムの中でトップクラス。
人間賛歌という点に絞ればガンダムの枠を超える可能性もありうる。ただし偏った人間賛歌。
だからこそ、恐らくガンダムとしては不遇な意欲作にとどまる、とも思う。


このブログを読んだ方がガンダムAGEを好きになってくれたり、手元のAGEのプラモを大事にしてくれれば、
・・・してやったり、かな。拍手下さるとモチベあがります。



・番外:海外の熱いオタク
海外のAGE解説動画。
一話ごとにここまで語れるのは才能だと思う。

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