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アルドノアゼロ 第21話感想 「変わってしまった」のは、なぜ?  

お待たせいたしました。
最速どころかリアルタイム視聴すらできておらず、一日たった日曜の夜になってようやく見ることが叶いました。
最近取れる時間も意識も大幅に減っています。お楽しみにされてる方申し訳ないです。

さて、今回の副題の「Fortune's fool」とは、運命の女神の道化のことだそうです。
元々はロミオとジュリエットのセリフで、ロミオが「僕は運命の女神(the Fortune)に翻弄される道化(fool)だ」と自嘲します。

映画としては該当するものが1923年のもの。
お金が万能だと信じる成金が、そうじゃないよと思い知らされる話。


ということで。
だいぶ遅くなりましたが、アルドノア・ゼロ(Aldnoah Zero、アルゼロ)第21話「夢幻の彼方」ーThe Fortune's Foolー 感想いきます。








メタファーの解説は他の方にお任せします。
ざっと見た限り、「伊奈帆の置かれた状況、対処と、スレインのそれの類似性」
「前期の9話との対置(配役を替えて同じような場面が展開される)」
というものがありました。


私が見ていて思ったのは
スレインのアセイラム否定キター!!!!
ハークライトがスレインの発言に終始無表情だったので心配していましたが、スレインのあの様子を見て一安心。
ああうん、私はスレインのアセイラム否定だけは絶対できないと思ってました。
舌の根も乾かぬうちにこうなっちゃったのですが、これはとてもとてもとてもとても嬉しい誤算。

いや、スレイン本人の立ち位置的には全然安心じゃないんですけどね。
「俺はヴァースじゃねぇ」とか言っちゃってるし、姫様を否定してるし、お前コレもう叛逆者だろ。
ストーリーを決めた人繋がりで、スレインが『まどかマギカ』の暁美ほむらに擬せられる、というのは見た覚えがあります。まどか(アセイラム)の唱える絶対的な理想の幻影に翻弄される人。

この構図で行くと伊奈帆がさしずめさやかでザーツバルムがキュゥべえになります。

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すれいん1column11C.jpg

inaho01-001.jpgcolumn12C_convert_20130630142431.jpgHB45.jpg08魔法少女と呼ぶべき



ともあれ、スレイン君は今回アセイラム否定を成し遂げ、無事叛逆も成しました。

彼の立ち位置がどうなるの。。。。?とかは今は考えるだけ無駄な気がします。ってか時間がありません。
ヤキモキしてハラハラしていれば良いと思います。

とりあえず
姫様の銃の伏線回収キター


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なのと、ソレがあっさり否定されて爆笑、でした。
ごめんなさい、私アセイラムはあまり応援する気になれないので。。。
(この人が上司や同僚だと命がいくつあっても足りないです)
※そういえば、アセイラムって「まず相手を制圧してから和平を説く」人だったなと、1日後に思い出しました。

姫の「即時停戦」に呼応するかのような(実際に構図が呼応している)地球上の戦いも、切ないものがありました。
相変わらず地球人を馬鹿にしていてコイツら懲りねーなーの火星軍の皆さん、まさに

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なのですが、仲間同士では案じ合い庇い合う。
(自分がやられている間に)せめてコイツだけでも逃げてくれ、と逃がした仲間は容赦なく殺されます。
その敵に一糸報いようとしても、当人どころかその手先にも満足に打撃が当たらないまま散って行く。
「全員が自分自身」であるオルガが言うから、他の二人への「同志」という評が重い。

この3人を失ったのは、スレインにとって痛恨だと思います。
こういう、自分の命をかけて仲間を守る人は少ないから。彼らがスレインを認めていれば、強力な支援者になっていたのではないでしょうか。

戦闘自体は、合体キター!分身大群キター!ってかスレイプニールが雷まとってるよ!!で相変わらず面白かったです。

さてこの戦い、とても重要なターニングポイントだったと思います。
・火星軍が連携しても地球軍にあっさり負けてしまったこと
(確かに途中まで勝っているし少なからぬ損害も与えているが、負けるときに一瞬で戦力が壊滅)
・それが界塚伊奈帆の全軍指揮によってなされていること

その結果、伊奈帆が地球の全軍を掌握しても良い、という前例ができてしまいました。
地球軍はいざとなれば伊奈帆に全権を委ねるでしょうし(使い潰すために)、伊奈帆も、必要を認めれば自ら望んでその立場に志願するように思います。

一方のスレインも、今回の敗戦のため次回以降は慎重に大戦力を投入しなければいけなくなりました。
もはや、火星軍もカタフの単独行動がとても危険な状況です。
数を揃えても、数機程度なら地球軍の総攻撃を受けた場合に一方的に敗北する恐れがあります。
(スレイン側からは、伊奈帆による今回の勝利が「辛勝」なのか「かんたんにできること」なのかの判別がつかないため)

今回で制約条件を全て取り払い、いよいよヴァースに大鉈を振るえる立場になったスレイン。
でも、彼の使いうる全力を持ってしても、伊奈帆という障害は相当に厄介です。

つまり今回、少年二人がともに権限(自分が戦力として使いうる範囲)を大幅に広げています。
次の激突は、大兵力同士の決戦になるでしょう。

そして、二人の少年はどちらも、非常に大きい代償を払っています。
スレインは誰かが告発すれば叛逆者に転落します。
伊奈帆は力の使用に時間制限があります(使うほど命を蝕むはずです)。

お互いに命をかけ、全てを動員しての対決。
決着は、さてどうなるのか。


しかしまあ、振り返ると
「姫達やエデルリッゾにちゃんと監視つけとけよw」という突っ込みへのスレインの対応は流石と思います。

つまり、「そのときは、そのときだ」という割り切り。
そうなっても対応できる兵達がいて、自分としても想定済み。だから監視は必要なかった。
スレインのこの危険すぎる英断を可能にしたのが、まさにザーツバルムの遺産だと思います。

アセイラムがいみじくも「変わりましたね」とスレインを評しましたが、これも仕方がない。
ザーツバルムの叛逆を露程も予想しなかったのがアセイラム(12話で心底驚いていました)。
スレインの内にあるものなど、わかるはずもないと思います。ザーツバルムの無念をわかりようがないから。

もし、スレインがレムリナに嘘をついていなかったら、どうなっていたのでしょうね。
アセイラムがスレインを非難するのは政治思想の問題。
でも、レムリナなら、スレインが正直に話していればあの銃を違った使い方をしていたようにも思います。


こうして振り返ると、スレインへのザーツバルムの遺風の大きさを改めて感じます。
私、スレインとアセイラム、もっともっと揉めると思っていたんです。
でも、今回であっさり乗り越えちゃいました。ああうん、そのぶん悪名は高まるけど。

このやりたい放題、ハークライトには受け入れられる、はず。ハークライト自身が変化していなければ。
ただし、スレインはハークライトの反応は特段気にしていません。彼が反応を気にする人間はアセイラム。
そのアセイラムを、スレインが簡単に否定できたのはなぜか?
彼女がいみじくも言った「変わってしまった」内容が鍵だと思います。

今回の表題の問題提起、スレインを変質させた要因が三つ。
誰よ?と言うと、人物としてはまずザーツバルム。あと一人いるので、後で述べます。
もう一つは、スレイン自身が色々なことを経験し、知見を深めたこと。
その経験や感じたこと、疑問に対して、説得力のあるビジョンを示したのがザーツバルム。
だから、スレインのタルシスは思わずザーツバルムを助けてしまっています。
これが12話。ザーツバルムは伊奈帆に対して思いをぶつけていますが、その声が実際に心に届いたのはスレインに対してでした。

確かに、スレインはザーツバルムを手にかけています。
でも、それはザーツバルム否定ではない。むしろ、「ザーツバルム流」を全うすると、父を討つしかなくなる。
だから、凶行も含めて”父”が評したコメントが「悪くない」になります。
「悪くない」だから、満点になる何かしらの基準があって、スレインにもそれなりに伝えられていたと思われます。
少なくともザーツバルムはそう思っていたはずです。

そうだよ!父子の絆は姫への忠誠に勝ったんだよ!!!!!!

。。。なのかは、今後を見ていかないとわからないと思います。
スレインがエデルリッゾに嘘を言っていたのかも含めて(私は、アレが本心だと思うけど)。

父子の絆はともかく、
スレインにとって、 ザーツバルムの示したビジョン(と思い)>アセイラムの唱える理想 なのは間違いなさそうです。
少なくとも現段階では。
アセイラムが知らないスレインとは、即ち、ザーツバルムと共にあって学んだスレインです。
学んだものが少なくないからこそ、”絶対の”アセイラムを真っ正面から否定して突き進める。
(だからスレインが姫をないがしろにしている、でもないです。)

でも、スレインの言う「ぼくたちのせかい」、誰が求めてるのでしょうね。
レムリナもハークライトも、アセイラム主従も、スレイン自身も、誰もいることができないように思います。
実際に実現したときには全員に心地いいはずの場所なのに、スレインが全力で押し進めるが故に、誰もいられなくなっていく、そんな場所なのかも知れません。

イメージ的には復活したアセイラムが遊んでいた庭園。。。と思っていましたが、これ、考えてみると面白いです。

今回でスレインが言ったのは
何も憂うことのない、争いのない、悲しみもない、ずっと幸せが続く、僕たちの新しい世界を作りたいよ

そのために地球の資源とアルドノアの力が必要で
でも
統一されてないと人類は争うよ
ということです。

確かに
・地球にはアルドノアの超テクノロジーがない
・火星には豊かな自然がない

なので、両方補い合えばうまくいきそう、ではあります。

また、現状では、両者の利害も情報も統一されてないから、統一されれば便利そうでもあります。
ここで、「変わってしまった」もう一つの要素、界塚伊奈帆が絡んできます。
スレインが伊奈帆を「優秀」「脅威」として認識しているのは確かです。
加えて、姫と伊奈帆との関係を「姫と心を通わせた」と認識しているのか、「姫を誑かしている」と見なしているのか?
どちらに重きを置いているかで、スレインの行動は大きく変わります。
現状だと後者の割合が強いと思う。
後者の場合、伊奈帆という脅威が生きて遊弋している以上、排除するまでスレインは止まれません。アセイラムでも止められません。伊奈帆を野放しにすると姫が取り込まれる可能性が常にあるから。


ただ、例えスレインの提示する世界が地球火星双方にとって良い結果だとしても、この話の名前のあるキャラはだいたい反対しそうです。
ハークライトにしても、レムリナへの同情を優先しちゃうんじゃないかなあ。。。
スレインの見てるもの見えてなさそうなんだよなあ。。。

なお、姫がスレインを説得できないのは「悲しみ」「憂い」の中身が根本的に理解できないため。
姫が見たのは、軌道騎士が起こした戦争でボコボコにされた地球側の被害です。
スレインが知ったのは、王族が起こした戦争で火星で使い捨てられる側の被害。
姫とスレイン、抽象的な話だけだと噛み合いようがないです。

ただし、スレインも、地球の資源とかアルドノア技術の可能性を過大評価してしまっているように思います。
人間の仲良くなれる可能性を過大評価しているアセイラムよりはマシだと思うけどさw
役どころ的に最後に横死しそうな気配がプンプンしているスレインですが、私はスレインが勝った後の帝国、かなり面白そうだなと思います。
もちろん、彼の理想の恒久的な実現はまず無理です。御家騒動になるか内紛が起きるはずです。

スレインの青さには、ザーツバルムの影響が大いにあります。
というのが、ザーツバルム自体が現実逃避的に理想をぶち上げていた部分があるように思うから。
オッサンにしても、実現可能性を精査した上で「火星を変える」と言っていたのではなく、「戦いが終わった後で考えよう」程度だったと思うのです。
でも、スレインは恐らくザーツバルムの理想を「できるもの」とハナから思ってしまってそう。

また、スレインの原動力になったであろう「かなしみ」や「うれい」にしても、スレインの直接体験ではなく、ザーツバルムの感情に感化されたものが大きいはずです。
※ただし、「現体制のままでは第二第三のザーツバルムが出てもおかしくない」という危機感は、スレインは持っていてもおかしくないと思う。


子供が下手に「(そこそこ)”スゴイ人”」に出会ってしまうのは危険なんだなと、つくづく思います。


ということで、今回の感想を乱暴にまとめると
1:スレインも伊奈帆もいよいよ全軍指揮できる可能性が出てきた。直接激突大会戦楽しみヒャッホウ!
2:スレインが「変わってしまった」のはオッサンの心情と伊奈帆の脅威を「実感」したから。

になります。


結局オッサンに騙されるか女に入れあげて搾り取られるかの二択なので、人生とは悩ましく、才能とは無駄にすりつぶされるものなのだと思います。

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それでも、自分で挑み、感じ、決断をすることはとても大事なことだと思うけど。






【内容を見返したい方向け】
※バンダイチャンネルにリンクします。(DMM経由)
第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話 第八話 第九話 第十話
六話までの詰め合わせパック


インクエッジ(@02Curry)さんのツイート
相楽さんによる、2期感想まとめ 
15話感想まとめ
14話感想まとめ 
13話感想まとめ 


アルドノアゼロ感想 12話
アルノドノアゼロ感想まとめ 11話


公式サイト
アルドノアゼロ世界における通信の意味


過去感想まとめ(私が火星軍を最初から心配している過程が克明に記録されています)
10話感想まとめ
OPについてのメモ(いずれ記事にします)
その後の相楽さんとのお話 (今まで出てきたメタファーの大体の意味が解説されています)
名称の由来
7話までのおさらい
スレイン対伊奈帆のやりとりについて



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コメント

こんばんわ。時折ご意見拝見し、深い気付きに驚かされております。
(治療室のセキュリティとかエデルリッゾの監視とか。「割り切り」か、なるほど確かに)

当方も深夜しか時間がとれず深い論議を出来ないのですが、スレイン君は姫様の理想論を叶える為にザーツバルム流の悪役に徹している様に感じられます。
姫様の理想を叶えたい。しかしザーツバルムの熱い意志を知ってしまった以上、彼ら軌道騎士を無視して理想を叶える事も難しいと知ってしまった。
姫様には汚れなく居て欲しい。…なら、もう自分が汚れを引っ被るしかないよね?

銃撃された姫様助ける為にザーツバルムを生かし、その権勢を利用した=貴族社会に敢えて与した時点で、その方向性は覚悟してたんでしょう。
うん。やっぱり最後は死ぬか、死亡同然の状態でエデルリッゾ当たりに引き取られそうな予感はしますね…

後、気になるのは「天下布武」理論が、スレイン君の本音なのかどうか?と言う処。
あくまで「レムリナ」に対しての主張ですから、建前論の可能性も捨てきれないと考えています。
……まぁ大勢には影響ないか(´・ω・`)

Ran #eU/vmpS6 | URL
2015/03/11 04:20 | edit

Re: タイトルなし

>>Ranさま
ご贔屓ありがとうございます。
スレインの姫Loveはご指摘の通りだと思います。ギアス(笑)。
親とか庇護者でもああいう考えの人は結構いると思います。どうなんでしょうね。
姫が求めているのは「生きているあなたと一緒にお話ししたり友達になりたいの!」だったのかもですが。

ただし、スレインのやり方の場合、彼自身を最後に誰に討たせるのか、が問題になってくると思います。
現状だと、目星つけてるとしたらハークライトかなあ。
次回(今日)で「同格」のクルーテオ息子とお話しするはずなので、ホンネの一端がわかるかもしれません。

また考えてみます。今後ともよろしくお願いいたします。

K.Akemi (旧:さわK) #- | URL
2015/03/14 10:43 | edit

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