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まどかマギカ感想 佐倉杏子の経済学(1) 杏子にとって、魔法はなんだったのか?  

「魔法の力でなんでも好き勝手ができる」「魔法は自分のために使うもの」と、佐倉杏子は言いました。
そんな杏子だから、さやかは反発をします。
でも、人生の最後の最後、「こんな人生だから、せめて一度くらい、幸せな夢を」と、杏子は願います。

あれ?なんでこの人こんなこと言うの?魔法で好き勝手してたんじゃないの?
と、1年半くらい前の私はふと思いました。

最近異色の答えが見つかったので、一つの説として紹介します。
ひっさびさの魔法少女まどか✩マギカ(まどマギ)ネタ、今回からしばらく、杏子の暮らしぶりについて考えてみます。
第一回は杏子の魔法の使い道について。


今回の元になったまとめはこちら




まず、結論からいきます。
杏子にとって魔法はお金と同じで、その力は人間としての最低限の生活の維持のために使うので手一杯だったのではないか?

家族が心中した時点で、杏子の家と保護者は消えていると思われます。
社会的には彼女は孤児のはずです。
下手をすると、ほかの家族と一緒に生者としての戸籍すら消えているのかもしれません。
お金については一考の余地がありますが、ともあれ、人間としての杏子は、一家心中でほぼ死んだのだと思います。

杏子は選択を迫られたはずです。
孤児として誰かの庇護下で我慢して生きるか、魔法少女として一人で自由に生きるか。
そして、彼女は後者を選んだのだと思われます。

もし彼女に保護や応援をしてくれる人や施設があって学校に行かせてもらっていた場合、義に篤い杏子はその保護者に迷惑をかけないことを考えるはずだからです。
素直に学校に行き、そこで爆睡したりテストに追われたり、『叛逆の物語』で見られたような生活をしていたと思われます。
仮に保護者ないしは施設があったとしても、関係があまり良くなかったはず。
少なくとも、そこに居場所を感じていない。

とはいえ、彼女の実態の詳細なところはわかりません。
ホームレスなのか、雨露をしのげる場所があったのか、家がどういう状態で残っていたのか、補導された時に誰が保護者になるのか、などは、作中に情報がありません。作った人も厳密には考えてなさそうです。
続編で彼女たちの日常が描かれた時、あるいは出てくるのかもしれません。

重要なのは、前編後編(ないしはTV版)の時点での杏子は、外を大手を振って歩ける身分ではなさそうだ、ということと、生活資源を自分のお金で合法的には入手できなさそうだ、ということです。

合法的に賄っていたら、りんごの入手を咎められた際、杏子はさやかに反論なり諭すなりしているはずです。
つまり、杏子は魔法少女である自分自身を後ろめたいと感じていて、自分に対して諦めてしまっている人です。
(折り合いをつけて生きていく、と本人も言っています)

なお、杏子が体を売っていたかどうかは、ここでは深くは考えません。
売っているにせよいないにせよ、重要なのは杏子の暮らし方が貧乏臭く、予算が少なめであることです。
彼女の性格的にも、よほど追い詰められない限り好きな人以外に体を開かないと思います。
実際追い詰められてはいますが、彼女はまだ別の手段で生活が賄えます。


さて、平日に毎日女の子が私服で出歩いていることは相当目立ちます。
もしホームレスだったら洗濯と入浴が頻繁にできないので相当臭います。その意味でも人目に立ちます。
ただし、杏子はエネルギーが有り余っている人なので、引きこもるよりは外に出たがるはずです。

でも、人に疑われたりマークされることは相当めんどくさいはずです。
補導されるにしても店に出禁になるにしてもガードマンにマークされるにしても、彼女の自由がなくなります。
だから、杏子としては普段から長時間人と関わらないことが望ましいはずです。人に姿を晒す=疑われる、のはずなので。

杏子は一般には魔法でお金を誤魔化してものを入手していて、ホテル暮らしだったと言われています。
ただ、これを狭い地域(JR駅1つ分程度のエリア)でやった場合、杏子は一月程度で干上がるはずです。
不正使用したものの痕跡は残るし、頻繁に同じ場所にいると人目について疑われしまうから。
ホテルもコンビニも、そこまで馬鹿ではありません。

一方、杏子の服はものを入れるところがあまりありません。
いつも違う食べ物を持っている以上、彼女は頻繁にお菓子を手に入れていると思われます。

平日の日中に出歩き、頻繁にモノを入手し、且つ良好な特定の人間関係がない(※)、となると、彼女の縄張りは相当広いはずです。広い場所を位置を変えながら動き、定着しないようにするのが賢明です。
また、その縄張りを飛び歩くことが、彼女のストレス解消にもなっていたと思われます。

※もし特定の人間の世話になっていた場合、その人が住んでいる地域で使い魔を放置することを杏子が割り切れるとは思えないのです。

さて、杏子のこの生活は、外食外泊なのでお金が掛かります。
また、人前に出られる状態であることが大前提になります。つまり健康と身だしなみの維持。これもお金がかかります。
また、拠点がない=安心して荷物を置いておける場所がない、です。持ち歩くべきものが増えてしまいます。
我慢しないで住所不定として一人で生きる暮らしは、基本、高コストです。


ただし、杏子の場合は抜け道があります。
まず、幻影魔法。これはよく知られていますね。

ほかにふたつ、重要なものがあります。変身と魔女(使い魔)の結界です。
変身では服装が変わるため、元の服は今以上には汚れないはずです。
また、魔法少女服は魔力で作られているので、毎回新品状態だと思われます。
洗濯の制限がある人にとって、魔法少女の変身はとても強い味方です。

いっぽうの魔女結界は、「人間と天候に邪魔されないシェルター」としての特性を持っています。
魔女なり使い魔なり、結界の主にだけ注意していれば良いので、彼らに殺されないように、かつ、殺してしまわないように、結界の中に上手く安全圏を確保できれば、それなりのねぐらになります。

つまり、杏子は魔法少女であることは、お金の直接的な代わりとしての魔力が使えることと、インフラの代わりになる現物を使えることを意味します。
ただし、どちらも十全に使うには魔力が必要です。

逆に言えば、魔力をうまくやりくりすれば、「魔法で好き勝手」ができます。
ちょうど、私たちがお金でゴリ押しをするのと同じです。
杏子の生活を考えた場合、魔力に余裕がある、は、財布に余裕がある、とほぼ同じです。

ただし、お金と違って魔法での「好き放題」は後ろめたいものです。合法的な交換じゃないから。
杏子の「好き放題」には、「人に疑われない範囲」という、明確な限界があります。
また、杏子の「魔法で好き勝手」は生きるためのものです。
お金に困ってなさそうな他の4人とは、前提が相当異なります。

また、自分が好き勝手やるために魔法を使ってもよいと思っていることと、魔法を使って実際に好き勝手をしていることは全く別です。
他の4人と同じスタートラインに立つために、まず相当量の魔力が必要になるのが杏子の現実です。
家、家族、お金がないのは、そういうことです。
つまり、ガスがなかったり電気がなかったり、インフラが割れている状況だと、「当たり前」の行動のハードルがグンと上がります。

水や大量に使えず、洗濯もままならなくなります。温かい食べ物が贅沢品になります。
そして、人前に出たり何かができるような清潔な状態になるまでが大変になります。
つまり、「人並み」のスタートラインに立つまでが長い。

他のメンバーはもともと人並みかそれ以上に恵まれているので、魔法で自分の人生を選べます。
スタートラインはゼロかプラスです。
杏子は、まず選ぶ権利を買うために、魔法を使う必要があります。
スタートラインがマイナスで、まずゼロになるところから始めないといけないのです。

これは、インフラが割れた状況にならないとなかなかわからないと思います。

まどかに対して、佐倉杏子は言います。
「毎日美味いもん食って、幸せ家族に囲まれて、そんな何不自由ない暮らしをしてる奴がさ、ただの気まぐれで魔法少女になろうとするんなら、そんなのアタシが許さない。いの一番にぶっ潰してやるさ」


杏子が魔法少女について語るとき、「魔法」を「お金」に置き換えてみると、彼女の状況がわかりやすくなるのではないでしょうか。

では、その「お金」で杏子は何を購ったのか?
そして、魔法少女・佐倉杏子の環境は、彼女の対人関係にどう反映されたのか?
ヒキとして、次回につないでみます。

今回の元になったまとめ


動画を見たくなったらこちら(バンダイチャンネルにリンクします。ここから見ていただくと私が少し得をして次回の記事の予算になります)
始まりの物語 永遠の物語








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