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Gのレコンギスタ先行上映感想 知られざる“前史”を踏まえて  

2012年12月、サンマリノのアニメフェスティバルで冨野監督にこんな質問をしたことがあります。

「現在、この世界は急速に小さくなっています。
 あなたのこの声も、今この瞬間に地球の裏側に届きうる。
 そういう世界で、あなたは一個人として何を残したいのですか?」


当時の私はまどかマギカ劇場版の世界公開に便乗してサンマリノ訪問とか世界一周をしたいなと思っており、この時点で台湾、アメリカ、シンガポールでまどかを見てきていました。
その過程で、世界が急速に小さくなっているのを強く実感していました。
富野監督の講演の場ではそういう意識を持っている人がいなさそうだったので、私が聞くべきだと思って聞きました。


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当時の監督の答えは
「とりあえず仕事を貰えないと自分は何もできない。
 もし作らせて貰えるなら、アメリカから押し付けられた統治論ではなく、
 サンマリノで見て触れたような直接民主制のよさをアニメを通じて子供に伝えたい。
 そういう作品を作ることを現場にも伝えていきたい」

でした。

“そういう作品”がGのレコンギスタ(Gレコ)であることは言を待たないと思います。



ということで。


日本橋、行ってきました。新宿のスタッフトーク付オーラス?当日思いついたヤツには無理だよw。


今回はGのレコンギスタ(Gレコ)の感想です。長いのは画像が多いから。
記事自体はそこまで長くないです。

なお、キュゥべえとマミさんが↑なことを言っているのは、当時のサンマリノに彼らもいたから。
サンマリノフェスから世界一周、冨野監督作品の再試聴など、サンマリノ以降の私の経験値は基本、彼らにも全部入っています。

キュゥマミの一連の冒険はTogetter参照。今後公開していきますが詳細知りたい方は拍手いただけるととても助かります。
反響見て何出すか決めてくので。




結論行きます。

「世界は、四角じゃないんだから!!!!」

第一話のアイーダ姫のセリフで、ああこれだ!と思いました。富野さんはこれを伝えたいんだな、と。

もう一つ、同じ第一話最後の空に向かって両手を広げるGセルフと、宇宙へ登っていくゴンドラ群。
これは監督の願いなのか、子供たちに向けた物なのか、作り手の大人に向けた物なのか、よくわかりません。
象徴的な構図だなと、これも強く印象に残りました。

このほか気になったのが子供たちのありよう。特にベルリ君。
彼は監督の何を背負って、誰に何を見せ、伝えようとしている人なのか?
勿論、現状ではわかりません。「優等生」という印象を受けたけど。こういう子供に育ってほしいと思っているのかな、とも思ったし、冨野監督が息子を持ったとしたらこういう子供にしたかったのかな、とも思いました。

彼に今後どんな負荷がかかり、それにどう対応していくのか?
楽しみである一方、「冨野さんの作品を見られるのもあと23話しかないんだよなー」とも思い、覚悟しながら見ていました。
ずっと「富野さんは何を残したいのか」ということを考えて、見ていました。

彼の残したいものに、若干の心当たりがあって、それは確かに映像に反映されているなとも感じました。


Gレコ自体は、そんな予備知識がなくても面白かったです。
大画面の方が良い映像だったのかはよくわかりません。
とくだん、大画面映えするように作られていたとは感じませんでした。
事前の談話とかを聞いている限り、多くの子供に見てほしいはずなので、「劇場じゃないと味わえない」ようなことは強くは意識していないはずです。むしろ、テレビやパソコンモニターなどの小さい画面をメインターゲットにしているはずです。

でも子供向けなのに子供いなかった!
22時以降の上映だったので当然なんだけど。
あとオッサンばっかでした。女性は120人の箱に5人くらい。


内容は
MS戦かっけー、とか
ガンダムかわいー、とか
ギャグとのバランス良いねー、とか
宇宙世紀MSの見せ方うまい!とか
世界紹介うまいね、視点移動滑らかだね、テンポ良いね、とか
ああこれキングゲイナーとターンエーのいいとこどりして進化したみたいな話だね、とか、
色々あるんですが

気になったのは
・豊かな自然の描写が強調される
・戦争だけど残酷描写が少ない
・ギャグシーンが多い

点。
柔らかくて優しくてとっつきやすい作品に感じました。
四角じゃない世界は何なのか、という問題なんだと思います。


ただ、その分アクは少ないかも。尖ってるんだけど優等生
「人が仲良く交わる」ことと「戦争をする」ことを強引に一緒にした感が少しありました。
人の生活空間の描写のこまやかさはいつも通り。アクはあるんだけど、大分まろやかです。

「子供向け」にしようとしている、冨野さんの強い意志を感じました。


彼の残したいものは、例えば、

子供がモノを感じ、世界を認識する事とか、
大人が子供にどう接するのがよいか、とか、
それを踏まえて、人間同士がつながることとか、
世界が豊かな状態とは何なのか、とか、その豊かな世界に人間と技術はどう接したらいいのか、とか、
人間の心が豊かであることはどういうことなのか、とか、

そういった問いへの、彼なりの「こうあってほしい」姿なんだと思います。
お手本であり、問題提起でもある。

富野監督のアニメーションじゃないとできないことは、例えば日常の軽妙さと戦争のロボットアクションのバランスだったり、難しいテーマとわかりやすさの両立だったり。
つまり、「バランス」とか「見せ方」

アタマ空っぽにしてどこから見ても楽しめる映像、物語は、冨野さんが半生をかけて培ってきた職人芸なのだと思う。


ただ、強い意志がある分、バイアスも感じました。良いものを残したいせいか、優等生すぎる。
Gのレコンギスタ(Gレコ)の主人公のベルリ君のことを考えると、アルドノアゼロの伊奈帆とかZZガンダムのジュドーとかを思い出して、自分はイナホとかジュドーの方が好みだな、とは思ってしまいます。
ベルリはわかりやすいしイイヤツで、キャラも特徴があってアクもあるんだけど、現時点だとまろやかすぎる。

僕自身の思い入れ補正抜きだと、現時点でのGレコは可もなく不可もない作品です。

でも、見てて楽しいという絶大な長所があります。
これぞ娯楽!と言いたくなるくらい、ストレスがかからない作品でした。

力まないで全身で感じるくらいがちょうどいいのかもしれない。
されど娯楽、だけど、たかがアニメ、なので。


見ていて、サンマリノの講演のことを何度も思い出しました。
富野監督はイタリアの中にある小国サンマリノがいたく気に入ったようで、作品に対する強い影響も受けたようでした。



では、サンマリノはどういう国なのか?
富野監督も見ていたであろう街の景色を、画像でご紹介します。
Gレコで感じた「世界の余裕」みたいなものは、ここから得た物けっこうあるんじゃないかなー?と、僕は思う。




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あと宣伝しておきます笑 この動画の前半がサンマリノ。




この時の、サンマリノフェスティバルから世界一周までの一連のツイートは他の方がTogetterにまとめてくださっています。
(http://togetter.com/li/419745?)



サンマリノ、このように風光明美な場所です。
こういうものを見て、富野さんが何を感じたのか?それはGレコにどうつながるのか?
この点、サンマリノでの講演で冨野さんが話されています。


しかし、当時の動画は日本語版が存在していません。
NHKが来てたのですが、番組にもならなかったように記憶しています。
イタリア人が記録したもののみがネット上に存在しています。後でご紹介します。

ネット以外だと、文章に起こしたものがアニプレッションという同人誌に収録されています。在庫まだ残ってるはず。
※アニプレッションという媒体があったため、私がプレスとして講演を聞けたという経緯があります。

見たい方、ご興味がある方は私のこの記事への拍手とかコメントをお願いします。
反響が多ければそれを背景に公開の交渉ができます。



こういう感じで全部で12ページ。

冨野談話-001


イタリアの動画は45分と長いですが、通訳交えてるので内容は実質20分です。
これに質疑応答の動画が3つ。全部合わせて実質35分くらい。



※ここから飛べる02と03が質問その2とその3。冒頭の質問は含まれていません。

富野監督については台湾のKaitoさんのブログも詳しいです。

内容を聞いていただくとわかりますが、Gレコに繋がるエッセンスが多く含まれています。
Gレコ自体はもっと前からの企画だったらしいから、さらに前史が存在するかもですが。

富野監督、サンマリノでかなり考えまとまったんじゃないかな。
「こういう形の“ひとの暮らし”が現実にあるのか!これでいこう!」って。

彼はサンマリノで「希望」を一つ手に入れたんじゃないかなと思ってます。
講演の富野監督から、そういう明るいエネルギーは感じました。この講演で、僕は冨野監督にとても好意を持ちました。



では、彼の感じた希望が、この先にどうつながるのか?


あとは

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なのだと思います。
見ながら、僕も考えて、感じて楽しんでみます。

(いやパイロットスーツがもうネタバレだと思うけど)




オマケ。サンマリノで監督にいただいたサイン。

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