Blinking Shadow ホーム » キルラキル »漢字と考えるキルラキル(2) 「纐纈」であることは、「神羅」に何をもたらすのか?

漢字と考えるキルラキル(2) 「纐纈」であることは、「神羅」に何をもたらすのか?  

前回は「羅」の文字について少しだけ掘り下げてみました。

羅、の文字にはグレードの高い服としての意味がある。
だから、名前に「羅」を含む羅暁も、彼女の服「神羅」もヒロイン以下少年少女たちに対して一段頭抜けている、が結論でした。
では、残った「纐纈」にはどういう含みがあるのか?
そして、それはキルラキルという作品のテーマとどう関わってくるのか?

今回は、そこを考えます。

前回の記事(http://chiqfudoki.blog.fc2.com/blog-entry-418.html)
もとのTogetter(http://togetter.com/li/647458)

なお、私は一昨日にキルラキルを見始めて、まだ1-4、12、21-23話しか見ていないニワカです。
もし万が一作品理解の不足があった場合はご容赦ください。


最強の神衣・シンラコウケツは「神羅纐纈」と書きます。
「神羅」が「神衣」の上位概念であることは、前回述べました。
同じ「神」の字で始まりながら、羅暁の服は一段強いわけです。
一方、纐纈は「コウケツ」と発音するから、鮮血(センケツ)および純潔(ジュンケツ)とは「ケツ」の韻を踏んでいます。

では、纐纈という言葉はどういう意味なのでしょうか?
Togetterにいくつか反響をいただいたので、踏まえながら見ていきたいと思います。

纐纈、というのは、キルラキルがなければ、知らない人は全く知らない単語だったように思います。
一つの意味は名字です。纐纈さんという人に、私は会ったことがあります。
岐阜のある地域に多い一族なのだそうです。この苗字は、纐纈という単語の意味に関わってきます。


纐纈は「こうけち」、とも読み、奈良時代の絞り染めの名称の一つだそうです。
別名を鹿の子絞り。転じて家紋にもなっているそうです(目結紋。丸の中に武田菱みたいなのが入ります。)。
この染物に由来して誕生したのが「纐纈」姓とのこと(苗字由来Net)。

っていうか絞り染めってなに?鹿の子絞りってナニ?さっぱりわかりません。
昔の染物の方法らしい、とか、岐阜とか奈良のあたりの絞りだとか、今に残る絞り染めのやり方は纐纈だよ、とか出てくるんですが、、、

まず絞り染め。
これは「布の一部に圧力をかけることで、その部分に染料がしみ込まないようにして模様を作ること」だそうです。
うん、わけがわからない。
現代の言葉にするとレイヤーとかマスキングが近いのかな?

画面の前のあなたでも今すぐできる具体例で考えてみます。但し、真似はしないでください。
白いハンカチを輪ゴムできつく縛ります。
何かで手を切ってしまって、そのハンカチの上に血がかかったとします。
白いハンカチは赤くなりますが、輪ゴムの部分だけは白く残って、赤と白の模様のハンカチになりますよね?
これが絞り染めの原理です。簡単でしょう?

簡単にできるので、世界中に似たようなものがあるそうです。確かに、見た覚えがある。
日本にも昔からあったんですが、高級品でもなかったらしく(てか簡単に作れるし)、社会の表舞台で評価されるのは室町以降だったそうです(wikiより)。

で、その絞り染めのうち高級品が「京鹿の子」と呼ばれる絞り方だったそうです。
京都で作られた絹を素材にして、絞って染めるんだそうです。
うん、それは高級ですね。

この「絞る」こととか、おどろおどろしい文字感、高級感のせいか、いくつかの文学作品でも「纐纈」というタイトルが用いられたそうです。

Togetterへいただいた指摘で、私も知りました。

有名なのが国枝史郎の『神州纐纈城』だそうで、他に田中芳樹の『纐纈城奇譚』というものもあるそうです。
『神州纐纈城』は戦国時代の日本を舞台に、血染めの纐纈布を巡る伝奇冒険小説みたいです。
『纐纈城奇譚』は唐の時代の中国で、やっぱり血染めの布絡みで悪さをするやつを英傑が倒す話みたいです。

キルラキルではサブタイトルが昔の歌のタイトルだったり、人物の造形や名前に「みんなが共通して知ってそうな」イメージをちりばめてくるので、纐纈が選ばれた背景にはこうした小説や、血染めの布の存在も当然あると思います。

ただし、纐纈と血染めのゆかりには必然といえる部分があります。
「血染めの布」というテーマ自体は、割と思いつきやすいと思います。
じゃあどんな染め方にするの?どんな名前を付けるの?と調べていくと、「絞り」と「纐纈」という、見るからに怖くて、かつ高級な組み合わせというものが実はあまりないのです。

着物の他の染め方としては、絞り染めの他
手描き、糊染め、蝋染め、版染、合羽刷り、型染め、などがあるそうです。
怖そうなものを選べ、ってなると限られますよね。

神州合羽刷込地獄!とか神州友禅城!とかだと、高貴なものの裏の闇みたいなモノの凄味が半減するように思います。
「纐纈」も「絞り」も糸ヘンはいってますしね。

なので、「纐纈」は、もともとの語感や文字イメージ故に、ほっといてもおどろおどろしいものと結びつきやすい、という部分があるように、私は思います。

ということで、纐纈に関わるキーワードをまとめます。
・伝統的な染め方
・圧力をかける
・絞る
・血染めを想起させる
・おどろおどろしいイメージ
・高級品


時代的には、「羅」が廃れる(技法が途絶えた)のが応仁の乱。
「纐纈」が社会的に評価されるのが室町時代。羅の消滅と纐纈の台頭は、時期が若干かぶっています。
羅だけだと滅びた遺物。纐纈だけだと高々数百年のニワカ。二つ合わせることで、日本の王朝時代のごく初期から存在する由緒ある高級品、と僭称ができる。

前回で、神羅が神衣の上位概念、ということを述べました。
神羅+纐纈で、この意味は補完されます。つまり「伝統的な」「由緒ある」「高級品」です。神衣ふたつより格上です。
また、纐纈に伴う「血染め」のイメージは、「無地(純潔)なもの」に「血(鮮血)」を乗せたモノでもあります。

神羅纐纈の製造過程も、血染めの呪われた服に相応しいです。
両手を失った女(縫)が血を振りかけながら怨念を込めて縫い上げ、そこに人柱としてもう一人女(鳳凰丸)が身を捧げています。

うーん、なんかもうあらゆる意味で手も足も出ないですね。
上級職にクラスチェンジしてレベルカンストしちゃったよ、みたいな感じです。神羅纐纈、隙がありません。

こんなのどうしろと。「神羅」の前では「神衣」は下級職ですし。。。


この対応の糸口も、作中で提示されています。
次回は、この神羅纐纈に対してヒロイン二人が与えられた突破口について考えていきます。
今回の纐纈の説明で「おや?」と何かに気づかれた方いらっしゃると思います。
その答えも次回です。お楽しみに。











にほんブログ村 アニメブログへ
にほんブログ村




関連記事
スポンサーサイト

category: キルラキル

thread: キルラキル

janre: アニメ・コミック

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://chiqfudoki.blog.fc2.com/tb.php/404-39eed907
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

検索フォーム

最新記事

最新コメント

アクセスカウンター

オススメ

▲ Pagetop