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漢字と考えるキルラキル(3) 最強の神羅纐纈に対し、少女たちに託された文字とは?  

前々回前回で、「神羅」と「纐纈」について考えてきました。

ふたつの「神衣」に対して、ほぼあらゆる点で総合的に勝るのが「神羅纐纈」である、という結論になりました。
流石はグレートマザーです。流子と皐月の二人がかりをもってしても、勝ち目が低いのかもしれない。

ところで、『キルラキル』には「対になるもの」が多く登場します。
流子と皐月もそうだし、彼らの武器もそうだし、「キル」という単語の重層的な意味もそうだし。
神衣と神羅の対応関係も、ここまで見てきました。

また、全てを一枚にしようとする生命戦維に対して、「わけのわからないもの」という概念が提示されています。
これらは、どう結びつくのか?

神羅纐纈の裏にある、もう一つの対比を追いかけてみます。


前々回の記事(http://chiqfudoki.blog.fc2.com/blog-entry-418.html)
前回の記事(http://chiqfudoki.blog.fc2.com/blog-entry-404.html)

もとのTogetter(http://togetter.com/li/647458)

なお、私は一昨日にキルラキルを見始めて、まだ1-4、12、21-23話しか見ていないニワカです。
もし万が一作品理解の不足があった場合はご容赦ください。



結論先に行きます。
鬼龍院羅暁と対応関係にある存在が二つあります。
ひとつが、お母さんに対しての、お父さん
もうひとつが、羅暁という大人(完成した存在)に対しての、子供(成長する存在)

劇中のヒントを見ていくと、突破口はここにあるように思います。
「わけがわからないもの」は、もちろん密接に関わってきます。


最初見たときに気になっていたのが、「ラギョウ」という音でした。
日本語では、普通はこの音は「裸形」という文字にのみ対応します(「らぎょう」から変換したり辞書を検索してみたりしてください)。
何でお母さんこの名前なんだろうなー、が引っ掛かっていました。
一方の「鬼龍院」は創作上の名字です。実在はしないようです。華族とか金持ちっぽく見えるだけで、由来はありません。
恐らく「キル」に音が近いのと、貴族っぽく聞こえるのがポイントなのだと思います。
(父母の名前の他の部分を見る限りそう思える)

羅(ラ)については前々回述べました。物語全体に強く影響する文字であり、音です。
暁は特段深い意味がないようです。東の空が白む=明け方という意味と、「ギョウ」という音を押さえておけばOK。
ただポイントは、「皐月」の皐の字が神にささげる稲や白い光の差す大きな台地の意味がある(らしい)こと。
※出典が知恵袋とかpixiv百科なのでいまいち論拠として弱いですが

日の出前の時間なので一日の始まり、つまり原点、という意味合いと、皐月と同じ属性持ち、というところが大事なのかなと思います。
流子とのつながりは後述します。


では、お父さんはどうなのでしょうか。
私が今まで知った限りだと、「纏一身の娘・纏流子」と「鬼龍院総一郎の娘・鬼龍院皐月」の間には明確な断絶があります。
血のつながりではなく、どの名前の人間に育てられたか、誰に影響を受けたか、という意味で、です。
流子は総一郎に育てられたわけではないし、皐月も思想面では一身の何物も受け継いでいない。

勿論、二人のお父さんは同じ人物です。
でもどの側面を見ているかが二人の人格形成に影響しているし、その結果の対比が物語の重要なポイントにもなっています。

いや、私まだ縛斬の由来は見ていないんでナントモですが。
流子は鮮血を着ることを選んでいるし自分で命名しているけど、皐月はお父さんに純潔を託されている、とか。
このあたりは置いておきます。
今回見るのは、お父さんのどの面を見たか?が、名前にどう出ているか、です。


まず纏一身。これはわかりやすい。身にまとう、の纏です。一身上の都合で、一身に引き受けて、の一身です。
ポイントは、纏という単語のイメージとニュアンス。
纏は江戸火消の旗印です。この単語には庶民的なイメージが付きまとう。流子の雰囲気です。
つきまとう、はい、きました。コレがニュアンス。

つきまとったりまとわりついたり、何かが人体に絡みついてくるのが「まとう(纏う)」。
人間が自分から主体的に行う「着る」とは、同じ動作だけど意味合いが若干異なります。
これは人衣一体と人衣圧倒の対比として出ていますね。


では、総一郎はどうなのか。
どこにでもありそうな名前。なんでこの部分だけ平凡なのかなーと思いました。

で、「総」を調べる。これは「ふさ」です。何本かの糸を一カ所で締めて垂らしたものだそうです。
だから、「しめくくる」「とりまとめる」「全部」「全て」の意味での「総合」につながる。
「すべて」と入力すると、「総て」で変換されますよね?

つまり、総一郎も相当強い糸属性の名前を持っています。
「総」は「すべて」でもある以上、天の網たる「羅」にも引けは取りません。
では「一」は?これは直感的にわかりやすい。始まりの数字で頂点の数字でもある。

このように、総一郎も羅暁も強い「糸属性」「始まり属性」「全部ひっくるめる属性」を持っていることが見て取れます。
名前の意味において、この夫婦は同格の強さを持っていると言えると思う。
「総一」ではなく「総一郎」になったのは、長くて仰々しい語感の方が貴族っぽいからだと思います。



では纏一身はどうなのでしょうか?
前述のように、纏うと着るは似てるけどやや意味が異なります。
また、羅暁の「ラギョウ」は裸形を連想させるわけで、これが一身と意味が近い。
つまり、世界征服をたくらむ生命戦維のボス・キリュウインラギョウのに対し、立ち向かう人類の科学者・纏一身は対応関係にある名前を背負っていると言えます。

ただし、漢字と意味には明確な対応関係があるのに対し、音は連想されるものに過ぎません。
まず間違いなくそうなんだろうけど、そこまで。
この位置関係はそのまま、羅暁ないしは鬼龍院一族の宿命に対するヒロイン二人の距離に反映されています。


ただし、ヒロイン二人の父を繋ぐものがあります。それが「」。
母に「羅」が共通するように、ヒロインたちは「一」を持つ父の薫陶を受け、思想を背負って母に対していきます。



一は頂点の数であると同時に、「一からやり直す」数でもある。
これは、二人の娘が持つ服にも反映されています。
命そのものである血も、まだ何物にも染まっていない純潔も、人間としての始まりです。そこには何の加工もない。

これが、纐纈に対する突破口だと思います。
前回の絞り染めの例で、ピンときた方もいらっしゃると思います。

血染めの纐纈は、無垢な白を糸で絞ってくくって(纐纈して)、鮮血を注げば模様が出来、染め上がります。
染め上がっちゃっているので、どんなに完璧であっても、もう元には戻せません。
完成形の血染めは、その先がないのです。

一方、鮮血も純潔も、先には無限の可能性があります。
実際、ここまでの物語の23話で、鮮血の少女も純潔の少女も多くの「わけのわからないもの」と出会い、絆を育んできました。
羅暁が提示するものは「一枚の布」の世界です。象徴するかのように、敵も一人に収束しつつあります。

一方、ヒロイン二人も、ここまで見てきたように一から始まり布に関わっています。
二人のヒロインの激突は、無垢と血の交わりでもあります。
血と無垢の組み合わせという意味では、血染めの纐纈の対でもあります。

この二人、どちらも鬼龍院羅暁という5文字に対応するものから生まれた、二つの可能性です。
羅と同格の強さを持つ父の子の皐月。
キリュウインラギョウと似たニュアンスの、でもより服に寄り添う思想を持った父の子の、流子。

二人は二人であるが故に、多くのわけのわからないものを抱え込みました。
抱え込んで、二人のまま、仲間たちと共に母にぶつかっていきます。
つまりプラスαがある。これは纐纈では持ちえない特徴です。
物語のキー「世界はわけのわからないものがあふれてるくらいがちょうどいい」も、まさにこの多様性の問題です。
プラスαは、物語23話で流子たちが積み重ねてきた絆、そのものです。
糸に対し、絆。これも劇中で繰り返し描かれる構図です。


また、多様性と同時に、これは「一」の対比でもあります。
羅暁の目指すものが「一枚の布の世界」だから。
羅暁の示した「一枚」に対し、少女たちは「一から育んだわけのわからないもの」という形で「一」をぶつけています。
人間はただのエネルギー源でしかない、という思想と、人間が生きて繋がることには意味がある、という思想の対決です。

だから、キルラキルは「一」から出た二つの「血と布の可能性」の対決でもある。
いや話的にはもちろん主人公が勝つんでしょうがw


もう一つ、羅暁は何なのか?という問題があります。超然としているのだけが彼女なのか?
纏一身に対応する、人としての何らかのホンネなどがあったりするのか?
(「鬼龍院羅暁」ではなく「キリュウインラギョウ」の部分)
ここは私の見ている話数が少ないのでわかりません。見ていくことで何かが見えてくるかもしれません。


以上、鬼龍院羅暁という圧倒的な存在に対し、一人の男がどんな意味を背負っているのかを見てきました。
そして、二つに分かれたその意味にはそれぞれに成長の余地があること、その余地こそがこの23話ぶんの結晶であることを見てきました。
その意味を背負う子供たちと母の対決が一を通じて対応関係にあることも見てきました。


こういう作品なので、単純な勝敗だけではなく、この対応する両者の激突が何を生むのか、も、楽しみです。
つまり、羅暁がどういう結末を迎え、そこに何を見るのか。


漢字と考えるキルラキル、神羅纐纈に焦点を当てた話はこれで終わりです。
お付き合いありがとうございました。


語られてないキルラキルストーリーも残り30分。皆様にとって最高のフィナーレになりますように。









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