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まどかマギカ叛逆の物語感想その5 (バレ注意) ほむらの払った犠牲と、希望。  

叛逆の物語、やはり見れば見るほどに味が増します。  
さて、もし万が一まどマギを全く知らない人に叛逆の物語の魅力を聞かれたら、どうこたえるか?

「明智光秀の心の中に迷い込んだ人が、光秀の心象風景を見るという形で本能寺の変までのタイムラインを追いかけたような話だよ。戦国時代の本とか織田信長関係の資料を見返したくなるでしょ?」とでも言えばいいのかな、と思っています。

予想通り、やはり重ねてみることで味わいが増します。
間がちょっと空く人は、昔のBGMを見たり、劇場版制作発表があった後の資料を見返したり、予告映像を見たり、昔の話を見返すと面白いかも。あとコネクト聞き直すのおすすめ超おすすめ。ルミナスの映像も見返すとまた面白いんじゃないかな。


ということで、3回目と4回目、札幌シネマフロンティアで連戦してきました。
リピーターかどうかは、鼻をすするかどうかですぐわかる(笑)。


マミシート


えっと、まず
中沢SUGEEEEEEEEE
ほむらが結界の中に連れてきた人の中で、唯一彼だけがモブキャラです。存在の必然がない。
他はまどかの家族であり、早乙女先生であり、恭介と仁美です。

ほむらの世界は「まどかとの出会い(とその後の一か月)をやり直したい」っぽいので、他の人たちは役割があるのですが

中沢君!なんで?モブなのにネームドだから?
結界が解けて解放されるときも、ちゃんと中沢君の姿が見えます(恭介たちが映ったとき、こちらに背を向けて隣のソファに横たわっています。)

新世界でほむらを救済するカギは中沢君だ!!!!
と、絶対あるわけがないことを言っておきます。


さて、救済。
叛逆なんで好きかなーって考えると、自分が考えうるダークストーリーやヒーロー像をほぼ全部踏襲してくれているから。

ほむらの救済がどこにあるのか?
彼女は文字通り、「鹿目さんとの出会いをやり直し」「彼女を守る私」であろうとしています。
これ、敵役である必然も、まどかのそばにいる必然もある。

ほむらのことをまどかが知れば、必ず彼女は自分の力を使って、自分を犠牲にしてでもほむらを助けようとするから。
でも、ほむらが望むのはまどかが幸せである世界。
ほむらとまどかはお互いがお互いであるゆえに相手を救おうとするし、救おうとするからこそ対立が不可避になる
ゴール、あるんでしょうかね?という問いを立てておきます。


さて、その状況はほむら自身がどう認識しているのか?なんで、そう考えるようになったのか。
これは劇中に答えがあります。
病んだ眼をしていてクマができているから別人のように見えるけど、ほむらの本質は変わっていません。
これは、まどかに対して見せた笑顔や、他の魔法少女たちとのやりとりでわかります。

マミには、さりげなく置き土産を渡して別れを告げました。
杏子が投げてよこしたリンゴは、かぶりを振って受け取っていません。
ほむらの表情が映っていないのはポイントだと思います。
人の気持ちを踏みにじったことを悔やむほむらだから、合わせる顔、なかったんじゃないかなぁ。

なお、「使っていた食器を割る」とか「同じ食べ物を食べない」って、死者を送る風習で確かありましたよね。
死者はこの世界のモノじゃないから、生きている人の世界のものを食べられない。


さやかとの別れは切ない。ホンネは絶対に言えない。でも、ウソもついていない。
なんでこんなことをしたの?「魔だから摂理に叛逆した」
世界を滅ぼすの?「魔獣を倒し終わったら、考えてもいいよ」
ヤバいです。敵はあくまで魔獣(と恐らくインキュベーター)。
魔法少女と敵対するかは明言していない。
さやかは、ほむらが敵になるって言ってるように受け取ると思う。
でも、明言しなかったほむらの真意は別にあるのではないでしょうか。
(神である)まどかには敵対するかもしれない。まどかが神になることは、まどかの幸せを意味しないから。
さやかがどういうヤツかわかっているからこそ、ほむらは、あえて悪のようにふるまう。

今のほむらは、TV版の頃よりも一人ぼっちで、眠れない夜を送ったりもしているのかもしれません。
それでも、

「もう私は、ためらったりしない」
まどかと一緒に矢を射たときのセリフです。暗転した時にほむらの声だけが流れたのは、そういうことだと思う。
心も体もまどかの隣にいたけど、一番幸せなはずのその状況で、ほむらの決意は揺らいでいない。

なぜか?
まどかとの別れに際して笑顔を見せたとき、ほむら自身が言っています。
「幸せだったから」
過去形です。

キュゥべえのお節介は、確かにほむらに有益なものを遺したのだと思います。
ほむらは、満たされた自分を自覚したのだと思う。

前も書いたけど、改めて見ると、ほむらの夢の世界はよくできています。
さやか、杏子、マミの全員が、ほむらの良き理解者として周りにいる。

さやかはほむらが魔女と知っているけど、だからこそ魔女ほむらの願い(皆と争わず、助け合いたい)も理解し、共感もしています。切りかかるときのまなざしも、とても優しい。

マミはマミで、あのガンカタ!
あれ、改めてすごいんです。当事者同士が「読み合い」といっていました。
でも、ほむらの世界の中のほむらは、マミの前では銃なんか使ってないですよね?
マミにとっては初見のはずなんです。
だから、あそこまで本気を出したマミのことも、ほむらは知らないのではないでしょうか。
っていうか、ほむらの世界でのほむらは、視聴者が今まで見たほむらの中で一番強かったほむらだと思います。

でも、それをことごとく読んで、マミの弾はほむらの弾に寄り添っています。
おまえらどんだけ理解し合えているんだよ!と。

杏子は杏子で、おとなしかったはずのメガネほむらの中にある全く違うほむらを感じ取り、いたずらっぽい目で受け入れています。
また、ほむらが魔女化の確認をする直前の電話で、「誰が魔女なのか?」の真相を理解したフシがあります。
でも、案じて助けに行こうとする。

まどか以外の3人も全員、ほむらのことをかなり深いレベルで受け入れていると改めて感じました。
だから、あの世界はほむらにとって居心地がいい。
でも、それはほむらが魔法でズルをしたからか?というと、違うと思います。
魔女疑惑がらみでほむらのこの3人への距離感がおかしくなっても、3人ともほむらを仲間として大事にしているから。
記憶は改ざんできても、感情までは改ざんできないはずですし。

また、そういう仲間だと思っているからこそ、ほむらはマミと杏子を結界内に呼び入れたのだと思います。

では、あの居心地の良い世界でほむらは何をしたかったのか?
これも、劇中にヒントがあります。皆の無念に決着をつけるで良いと思う。


前の感想でも書きました。
見返すとはっきりしました。


本編で、ほむらは同じ一か月を繰り返しています。
夢の世界でも、一か月たった次の朝にほむらが世界に疑問を抱き始め、そこから世界が緩やかに壊れていきます。
(夢を夢と認識するとき、なんどか世界の上下が反転しています)


あさ

この朝です。

その前の最後の晩に何をしたか?といえば、
・マミとまどかをコンビで存分に活躍させる
・シャルロッテの意味を置き換える
・仁美に対してさやかと杏子に一矢報いさせる

です。

よーはテレビシリーズの時に視聴者が感じたであろう「届かなかったあと一歩」が全部届いている。
これで、ほむらの「居心地の良い世界」への未練もなくなったのではないでしょうか。

朝のシーンでのほむらの目の動きと表情の変化、注目すると面白いです。


なお、この朝と対比される光景が、物語の最後(ED前)でもう一度出てきます。
似たような景色に、似たような色の光。
でも、ほむらを取り巻く状況は真逆になっています。

マミと杏子はほむらを感知できない。
さやかは、ほむらを敵(に近いもの)とだけ記憶する。
なにより、肝心のまどかに、ほむらの言葉はもう届いていません。
(理解しようとする目ではなく、ナニイッテンダコイツという目で見られています。)


こうして見てくると、ほむらの積み上げた犠牲がシャレになってません。
居心地の良い夢も、そばにいてくれるまどかも、親友になりうる人間たちからの理解も、全部犠牲にしています。

それでも、まどかが幸せに生きる世界を望む。

なぜ、我慢できるのか?
幸せだった実感(と思い出)があるから。

面白いのが、敵役に見えるインキュベーターの、ほむらへの貢献度がバカにならないこと。
彼らがあの結界を作ったおかげで、ほむらと周りの人たちがホンネで触れあっています。
ほむらが自分の気持ちに気づくきっかけにもなっている。
また、ほむらが現世では絶対になしえなかったであろう、無念や未練への決着がついている。


「魔女」という概念に対しても、ほむらの態度は以前とは異なります。
これは、マミの時間を止めてから発砲するまでの躊躇や、さやかとの対話での空気によく出ています。
迷うだけの余裕ができている。ほむらは強く、大人になっています。


ここまで踏まえて、ほむらの呪いへの結論「痛みすらいとおしい」という文言を、雰囲気と切り離して考えると、見えてくるものがあります。

私たちも、本当に頑張って何かを成し遂げたとき、地獄の練習や毎日の猛勉強がとてもいとおしく思うときがありませんか?
本気で血反吐はいて頑張ったモノは、成してしまえば最も良い思い出になると思います。
インキュベーターが理解できなかったのは、この、痛みの感じ方の変化だったのかもしれません。


ほむらの場合、魔法少女システムを極めてしまったように思います。魔女道を極めた、でもいい。
これも理由があります。
まず、彼女は時間遡行ができたために他の魔法少女たちよりも試行しやすい環境と長めの制限時間を与えられました。
また、キュゥべえが結界を作ったことで、他者とより長く深く触れるチャンスも与えられました。

この結果、普通は死亡か魔女化で誰もがリタイヤするはずの魔法少女クラブ、ほむらだけは卒業できてしまったのではないでしょうか?



その意味では、まどかとほむらの対比は天賦の才と積み重ねた努力の対比でもあります。
努力のほむらが寝不足で不機嫌そうな顔なのも、まあ当然ですよね笑

まどかを幸せにするために、ほむらは色々なものを失いました。
でも、ほむらの手元に残った力は、契約の結果というズルではなく、ほむらの努力の結果であるように思います。
(っていうか、まどかが迎えに来るくらいに明らかにやばくて死に掛けた状態で手を動かすとか、とんでもない意志の力です)

この力は、ほむらにとって本当の意味での「最後に残った道しるべ」になるように思います。
努力した記憶も、努力した結果で得た力も、自分を裏切らないから。
この力があれば、犠牲にしたものたちも取り戻せる可能性が常にあります。

取り戻すことが、ほむらにとって分かりやすい幸せをもたらすかはわからないけど。
でも、あのエンドはやっぱり希望に満ちていると、思ってしまうのでした。


まーでもほむらはとことんかっこいいですね。
神に祈る代わりに神を案じる人間、後世に汚名を遺してでも守りたい人間を守る人間、「君が好きだ、だからこそ戦う」というシチュエーション(FEでそういうのありましたよね)、悉くツボです。

IMG_5924.jpg

以前にhomura_world師姉に言われた「あなたには魔法少女の愛を守るインキュベーターになってほしいわ」というセリフ、この映画を見た後の今にこそふさわしいセリフだと思う。

そろそろミステリオーソが頭の中でリフレインできるようになってきました。
次はちょっと間が空くかも。
いきなり見たくなり、クセになる作品なので、また感想を書くかもしれません。
そのときは、よかったらよろしくお願いします。



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コメント

初めまして。叛逆の物語見てきました。

衝撃だった点がいくつかありましたね。

・ほむらの闇堕ち
・ほむらのヤンデレ化(元々かな?)
・かっこいいさやか(TV版では不遇だった。)
・ボコボコにされたキュゥべえ
・相変わらずの中沢君と先生のコント
・シャルロッテの正体がロリっ子だった。
・扇ちゃん…なにやってるの?コラボするならマミさんとの声優ネタを期待したんですが、まんま扇ちゃんでした。

次回作があるのなら、ラスボス化したほむらを救済する話になるのかな?

L #mQop/nM. | URL
2013/10/29 07:08 | edit

>中沢君
それほど大きい存在ではないけど

早乙女先生が愚痴る→中沢君を指す

なんて他愛のない日常もほむらにとっては幸せだった時の一部ってことなんでしょうね

#- | URL
2013/10/30 09:13 | edit

Re: タイトルなし

>>L様
扇さん確かマミってたはず。
画面内にいたマミが一切喋らなかったのが、声優同じだから出てきてるけど声優同じだからどっちか一人しかしゃべれないってことなのかなと思いました。

次回作については、多分この辺がヒントになります。
http://chiqfudoki.blog.fc2.com/blog-entry-369.html
まどかと一緒にワルプルギスを倒す、で問題自体は解決しそうだけど、さて。
コメントありがとうございました。



>>-様
コメントありがとうございました。
地味に登校時にはしゃぎまわる男子生徒が増えていました。
中沢君はモブ代表として、上条や先生についてくるものだったのかなー?とは思います。
少女の付属物ではなく、日常の者として彼らを定着させるために。

さわK #- | URL
2013/11/02 15:42 | edit

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