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ガンダムAGE感想 ゼラ・ギンスの“必然”  

ガンダムAGEが叩かれた理由に、「何の脈絡も説明もないラスボス」とか、「いきなり37年後www」とかがあったように思います。

私はこう考えるので、37年後のあのラストに結構納得しています。
じゃあ、ゼラはどうなのだろう?
どういう理由で彼がラスボスだったのか?

ぽっと出のやつをいきなり助けて終わり、って、しっくりはきませんよね。

コレ、いきなり閃きました。
きっかけは「最後の敵」というフレーズ。



結論を先に言います。
ゼラがラスボスだった必然は、彼が「戦うことを強いられた者」だからです。

ゼラの置かれた状況を考えます。
本人の意思とは無関係に勝手に選ばれ、任務を負わされ、集団全体の希望も託されます。
任務に忠実であろうとしたら途中でシドに遭遇し、任務達成(と生存)のためシドを取り込む。
取り込んだ結果、外見が本隊の想像しなかったものになり、本隊との交信もできなくなる。
彼の制御ができなくなった本隊は「人間ではない」と切り捨て、彼は世界のすべてを敵に回して戦うことになる。


こう書いてくると、見えてくると思います。
ゼラの運命は、劇中に出てきた別の誰かに似ていますよね。


そうです。
最終話までの短い時間でゼラが辿った運命は、ヴェイガンが辿った運命をなぞっています。
言い換えれば、ヴェイガンは同じ過ちを繰り返しています
自分たちがやられて嫌だったこと、戦う理由にもなったことを、気づかずに他の人間に強いていますから。


ゼラが取り込むことで「緑色だった」シドが赤い禍々しいものになるのも象徴的です。
これは、火星人がEXA-DBというものをどう扱ったかの縮図でもある。
技術自体は中立だけど、人の意思が乗ることで毒にも薬にもなることは本編で示されています。


ゼラ・ギンスは、ヴェイガン自身が産み落とした第二のヴェイガンと言ってもよい。
だから、最後の敵になる。ゼラが死んでしまったら、それまで被害者面をできていたヴェイガンが、本当の意味で加害者になる。地球にはまだヴェイガンが殴るだけの理由があるけど、ゼラに対しては言い訳ができない。
ガンダムX的に言えば、ほっとくと過ちが繰り返されます。SEED的な用語でいえば連鎖が始まりかけてる。

ゼラ自身には戦う理由も意思もないのも、大きなポイントです。
ゼハートにしてもフラムにしてもイゼルカントにしてもロボットのように命令をこなすヴェイガンの将兵にしても、自分たち自身の理由をもって、自分の意思で戦場に臨んでいます。これはフリットもアセムもキオも同じ。

最終決戦の時点ではゼラだけが、強制的にあの戦いに放り込まれています。
彼を殺してしまうと、火星戦争が終わって火星の問題を解決しても、人類は進歩をしていないことになります。


そう考えると、「地球の象徴である青をまとった(=赤をもたない)」AGE-FXが、バーストモードで「ゼラを助ける形で」シドを撃破したこと、「それも人だ」と喝破して見せたキオがゼラとの戦いに片をつけたことの理由が見えてきます。

長い戦いを経て人がAGEする(成長、経験の蓄積、絆の醸成など)ことに、意味はあるのか?
最終話で示されたのは、その問いの答えです。

キオはガンダムの力を「人を肯定し、強いられた運命から救うこと」に使いました。
この答えは、ゼハートには恐らく出せなかったものでもあります。


同時に、これは今までのガンダムシリーズで何度も問われた「戦争はなぜ起きるのか?」「ガンダムとは何か?」への一つの答えにもなっています。MOEも踏まえて見ていくと相当深くて、私には納得ができました。


MOEとTV版では違いがいくつもありますが、一つ気になった点があります。
MOEでは、アセムのダークハウンドがレギルスを殴っています。
たしかに「バカヤロウ!目を覚ませ!」と殴ることが必要な状況ではあった。

ではTV版では?と振り返ると、アセムは寸止めしていて、ゼハートを殴っていません。
これは当然の結果で、MOEだと二人とも少年に返って対等の殴り合いをしているけど、TV版のアセムは年長者としてゼハートに接しています。
ゼハートの精神年齢設定と劇中でどの年齢として扱われるかが違うから、結果も違っているのです。

ポイントは「寸止め」
本編を改めて見て気づく。
フリットはセカンドムーンに対して
アセムはゼハートに対して
キオはゼラに対して
それぞれ一度、「殺せる」状況になっているのだけれど、自分の意思で殺さないことを選んでいます。


その結果として、フリットはヴェイガンとの和解の道をつけました。
アセムはゼハートを継いで、ヴェイガンの立場を守る指導者として活動していくことになりそうです。
キオは実際の武力で目に見えるシロクロをつけました。


アスノそれぞれの面々が、違う立場から、でも必要な戦争解決の仕事をしています。
そこに「ころさない」「うけいれる」という概念がある。
いや、アスノ至上主義とかアスノの乗っ取りとか歴史は勝者に都合良く書かれる、とか、いろいろ言えるけど。



ここでわかりにくいのが、キオが何をしたか?
これはゼラの位置づけも絡んできます。
ゼラとの戦いは一見余計です。全員に攻撃されるとか意味わかんないしwww

改めて、ゼラとは何だったのか?
あえて「神」と言っておきます。
この「神」というキーワードから、ゼラと火星戦争、そしてガンダムAGEのもう一つの側面が見えてきます。


とりあえず今回のまとめは、

ゼラはヴェイガン問題を具現化したものであるゆえに、ぽっと出の(=本人が戦う理由と意思を持っていない)者である必然があった。

です。












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