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ガンダムAGE MOE感想2(ガンダムAGEのラスボスはなんでゼラだったのか?)  

MOE、もう見たくないと言った舌の根も乾かないうちにまた見返してます。
いや結構な苦痛なんですが。。。。でTV版を見てしまうんですが笑

いい機会なので、去年から書き残したままのAGEの最後のテーマに取り掛かってみます。
まどか劇場版に行く前に、一つだけ書き残していたことがあったんです。

時間かかりそうなので、何回かになります。

「ガンダムAGEのラスボスはなんでゼラだったのか?」は、東北旅行中にいきなり閃いたんですが、MOEで確信に変わりました。



前回私がMOEに否定的だったのは、「本編の補完として見た」からでした。
そもそもの歴史解釈が全く違う物語なのではないか?と考えると、MOEはとても面白い。


まず、MOE終わったしばらく後で考えたことがあります。
MOEのゼハートはラ・グラミス戦ではTV版に比べてかなり能力が劣化しているように見える。
TV版の盤面の推移についてはこのあたり。昔の方がマトモなことを書いている汗
MOEわかってねーなぁ!と判断したのですが、


本当にそうなのか?早合点しているのは私なのではないか?


そのつもりで思い返すと、ゼハートの描写だけではなく、かなり本編が改変されています。
本編のどこが取捨選択されたのか、どこが付け加えられたのか、どこが改変されたのか。
この検証、長いうえにアタマ使う上にストレスたまるんで勘弁してほしいです笑


ざっと確認した限りだと、私がアスノの美質だと思っていた部分がかなり消されている
アセムが体を張ってアブスを助けるシーンも、ゼハートを助けるシーンもない。
ダウネスでヴェイガン機の群れに圧倒されるフリットの描写がない。
月面でキオが不殺を貫いていない。


また、「史実」もかなり変わっています。
ゼハートとアセムの卒業式の状況、ふたりのMSクラブが参加した大会の結末、フラムとの出会い方、ザナルドの位置づけ、何よりガンダムレギルスの色。。。
MOEの世界、そもそもシドが出てくるんでしょうかね?笑

ゼハートは自分の立場にちょっと諦めを持っていて、お題目の「故郷の惨状」をあまり言っていない。
また、ゼハートがアセムをどう「惑わせた」のかが実はよくわからない。ゼハートもですが。
ていうかデシルニーサンの亡霊がかっこいいし。あれ、ゼハートが潜在的に言ってほしかったことを言ってますよね。

こうなると、同じシーンが違って見えてきます。


つまり、

MOEとTV版での暗黙の前提、「同じシーンは同じ事実をもとにしている」自体が違うのではないか?

MOEは本編の補完というより、別の解釈の歴史、と言った方がしっくりくる。
同じシーンが違う意味付けで見せられており、起きている出来事も違う。
となると、MOEに出てこないものは、あるいは「MOE的に解釈されたこの世界ではなかったこと」なのではないか?

前回の記事でも書きましたが、何よりMOEは根本がおかしいです。
人生の時間制限がシビアに切られ、コールドスリープでしか命をつなげない世界と、「AGE」を重ねて、経験、絆を蓄積できる世界の対比が、ガンダムAGEでした。

でも、この話のゼハートは、まるでアセムと同様に年を取ったような人間です。達観しすぎている。
だから脆くないし、別の形でストレスをため込む。AGEの蓄積を前提にせず、地球種的なライバルの世界を生きています。


イゼルカントの理想がはらむ矛盾に対し、「人間には無限の可能性がある」とどこかで信じているのがTV版のゼハート。
いっぽう、MOEのゼハートは「矛盾は自分が引き受ける」という形で背負い込む。

突き詰めると、イゼルカント以下火星人が信じている「エデン」というウソを信じているかどうか、という問題になります。

このエデン、厳密にはイゼルカントが信じ込んでいるものと、彼が他人に言っているものの二つがあります。
でも、ここではどっちも「(視聴者目線で見たときに)実現できないウソ」という意味で同じです。
ふたつひっくるめて、エデン=「現状を劇的によくしてくれる理想郷」としておきます。

イゼルカントも火星のみなさんも、エデンは実現可能だと信じ込んでいるのがTV版のAGEでした。
ところが、MOEではゼハートだけが「実現できない」と物語の最初から理解しているフシがあります。
だから、「自分は仮面をつけているようなものだ」と、どこかで達観している。
つまり、MOEのゼハートは自分を演じている人です。自分であることを自分で強いている人、ともいえる。

TV版のゼハートはその点、純粋で青臭い人間であるように思います。彼も強いられてるんだけど、自覚がない。
もうちょっというと、MOEのゼハートは自分(人間そのものについても)の能力とか可能性にどこかで見切りをつけている。

この二人のゼハートの違いは、彼らの駆るレギルスの色と、レギルスがどこでガンダムの顔になるか、そしてなぜ敗れるかに反映されています。


邂逅2


TV版のレギルスは、理想の救世主のトリコロールを掲げ、ゼハートがシドを撃破し「つかんだ」と錯覚した時にガンダムの顔になりました。レギルスを御せたと思いこんだ時からゼハートがおかしくなります。
そして、ゼハートは自分の理想の矛盾が突き付けられた瞬間に戦闘意欲を失い、ほとんど抵抗をしないまま敗れます。

このとき、ゼハートを破ったアセムのダークハウンドとゼハートのレギルスの機体の関係が、二人の初対面の時の機体の真逆になっているのも面白い(今回気づきました)。

さいしょにアセムが駆っていたのは先代から託された最強の"救世主ガンダム"で、色はトリコロール。
対するゼハートは、旧世代のエース機を改修した赤、黒、緑、白の機体です。


邂逅邂逅3

最後の戦いのときには、トリコロールの救世主を託されたゼハートと、赤と黒の改修機で戦うアセムという構図になります。

ここにも対比がある。




いっぽう、MOE版のレギルスは、ゼハートの心の仮面が取れたときにガンダムの顔になります。
ゼハートのホンネを反映するかのように、ガンダムの顔があらわになります。赤は火星の色というけど、本編では憤怒の色でもある。


あかれぎるす


やり場のない怒りに対し泣きながら当り散らすかのように、鬼神のごとき強さで敵を撃破し、その時に不必要に攻撃を重ねすぎて拳にガタが来たことで、アセムに撃ち負ける(この拳の応酬アツかったです)。


TV版のゼハートは、「本来の力が出せていれば」どれだけ強かったかが偲ばれるから、惜しまれる。
MOE版の彼は、「本来の力に、やるせない怒りが上乗せされた分」が仇になる。身を切られるような辛さがある。

どちらにも、魅力があります。
…地球種的な感覚で行けば。

ゼハートが「TV版で描写されたセカンドムーン」の人間であることを考えると、色々おかしくなります。

でも、セカンドムーンのことがMOEで描写されず、ゼハートがトルディアに来た時のリアクションにも目立った兆候が出ていない以上、MOEでは前提とされている世界そのものが違うのかもしれません。

また、MOEのヴェイガンの人たちは「ガンダム」ブランドに縛られていません。
そういえば、MOE世界ではアスノの人間的魅力は大幅に鳴りを潜めています。
ガンダムブランドも救世主話も出てきません。

この点、「救世主ガンダム」も「AGE」(年月を重ねることによる積み重ね)もないガンダムAGE世界がMOEと言ってもよい。英雄のいない世界ともいえる。


ゼハートの知略もスケールダウンしています。ラ・グラミスでのゼハートは勝算をあまり持っていたように思えず、半ばやけで戦っていたようにも見える。自分が突っ込んで戦局を切り拓く。もしかすると死ぬかもしれないけど、それはそれでいいと思ってそうです。

もうひとつ、MOEでは「記録に残らないもの」が非常に大事にされています。
ゼハートは彼らの思いを無駄にしないために命を投げ出すし、TV版では無事だった学校がMOEでは焼け落ちて、「ゼハートとアセムの絆」を示すものは形では残らなくなる。
ゼハートがフラムと一緒に葬られるとか、象徴的です。良く調べたよなアセムも笑

かたちに残らなかったものの真相は、私たちの知る歴史とは違うものなのではないか
これが、MOEが投げかけてきた問いです。



さて、ここでゼラです。
MOEはTV版の補完というより、火星戦争を違う切り口で見た作品と言えます。
終戦後50年くらい経って、当時を知らない人が地球人史観で当時を解釈して作ったような違和感がある。
ゼハートの心理は確かに濃厚に描かれているけど、あれはセカンドムーンの人間のモノじゃない。
まるで2013年の人間が2013年の勝手な解釈と一部の資料で司馬遼太郎的に再現した第二次世界大戦、のような違和感があります。

MOEで表現される火星の実質のリーダーはゼハートだし、物語のラスボスもゼハートです。
ひょっとすると、MOE的史観だと、あの戦争自体ゼハートが斃れてカタがついた扱いなのかもしれない。
その方が一見しっくりきます。ゼラ?なにそれポッと出じゃんwwwwシド?都市伝説でしょwwww

でも、「一見」。
この意味に気が付いたときには鳥肌が立ちました。
AGEの魅力を分かっているつもりで、私はやっぱりわかっていなかった。

ゼラ・ギンスには、ラスボスであるべき必然も、ぽっと出であるべき必然もありました。
それこそがAGEをAGEにしていたと言ってもよい。
それは、MOEの本質にもかかわる問題です。

と、散々引いておいて、ひとまず記事を終わります。












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