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おりこマギカ考察2 おりこマギカとは何だったのか?  

前回で、『おりこ☆マギカ』はまどかとほむらだけでなく、杏子、さやか、マミとも対比になっていて、まどマギ世界に対しての三重のアンチテーゼだと述べました。

今回はその続編です。
おりこ☆マギカはどんなコンセプトで作られたのか?

考えを進めてみると、一つの仮説が見えてきました。
ヒントは、この画像です。

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この画像は、おりこ&キリカが、初めて「二人そろって」「魔法少女姿で」ほむらと対峙したときの画です。
おりマギについて「敵の黒と白の魔法少女ってどんなヤツなの?」という質問が出た場合、紹介できる「それっぽい」魔法少女姿の二人の絵は、実はこれしかありません。劇中に存在しないのです。

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おりこもキリカも、他のシーンではかなり違う衣装の見え方をします。
しかし、初お目見えと言ってもいい、キメのこの部分で、こういう姿なのです。
二人の登場が5話の終わり。
今まで散々「優雅ないでたちのラスボス」おりこと「ネコのように飛び回る」キリカのイメージが刷り込まれているはずなので、「出たな」程度で見過ごされるシーンです。


でも、このイメージ単体でみると、見て取れる意匠は杏子とさやかです。

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参考に、杏子とさやかの(当時の)魔法少女服のデザインを出しておきます。

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おりことキリカの画像、ちょっと手を入れれば「杏さや、夢のタッグ」と言ってもおかしくない。
特にキリカ。距離を置いてこの陰影で見ると、一見さやかです。
この画像のキリカの部分だけ切り取って白黒にして「双剣のさやか描いたw」と言ったら、だまされる人が出てくるのではないでしょうか?
おりこはちょっとわかりにくくて、杏子のスカートを長くして、前掛けをつけ、肩を豪華にし、頭に飾りをかぶると、つまり杏子を全体的に「盛る」と、おりこになります。

どーも、似すぎているように思うのです。
※ただし、おりことキリカには顕著な身長差があります。このため、印象は杏さやとかなり異なっています。


おりこマギカの企画は、もともとこのキービジュアルが先にあったのではないでしょうか?

前回、「おりマギの新キャラの名前は本編キャラと韻がかぶってる」と書きました。
「みくにオリコ」は「さくらキョウコ」と対になっている、と書いたのですが、もう一人います。
「みくにオリコ」と「あけみホムラ」、これも音感がかぶる。

また、おりこの行動は、要素だけを抽出するとほむらとも被ります。
「いっぱい殺しやがって」とほむらに言われたとき、「アンタと同じでしょ?」と言える存在がおりこです。
どちらも「せかいと、かけがえのないともだちのどっちをとるか?」を天秤にかけた人間です。
そしてどちらも、その友達にかなり偏った愛情を押し付ける。
最後の最後で「ともだちのかたみ」で奇跡を起こすところも、同じ。
また、おりこは擬似ほむらともいうべき能力で戦います。

このように、能力・思想・行動がほむらと対比になりうるおりこは、外見と境遇では前回見たように杏子の要素を持っています。

キリカもさやかと見紛う外見で、「魔法少女として本来の力を発揮した場合のさやか」のような活躍をします。
キリカの場合はダークサイドですが。

ならば、ゆまは?
マミの要素の逆を考えると、結構すっきりします。
つまり「魔法少女の世界へ誘う」「頼りになる年上」「真実を知って絶望した人間」という要素。
これを符号を逆にすると、ゆまができあがります。媒介になるのは「マミと袂を分かった人間」杏子。

その3人は魔法少女の運命に絶望することなく、力の限り前に進みます。


つまり、ほむらが対峙したのは「間違えなかった杏子・さやか・マミのいる世界」です。
或いは、おりこマギカは「まどほむ(ほむら) 対 杏さや、ないしは信号トリオ」の話といってもいい。

こうして考えると、おりこマギカのコンセプトは「鏡の国のほむら」だったのではないでしょうか?

つまり、ある時空でほむらが、ほむら'、マミ'、さやか’、杏子'というべき人間たちと対決する。
企画では、まずそういうイメージがあったのではないでしょうか?

「世界への対峙」でほむらと逆のアプローチを取る、ほむらシャドウともいうべき人間に「ともだち」の要素を入れる。ここに杏さやの要素を入れてみる。。
そうしてできたのが、ほむら+杏子のおりこなのではないでしょうか?
おりこのシンボルカラーは「黒」(ほむら)と「赤」(杏子)の対になる「白と青」です。
その役割は、ほむらの「友達」と「世界」へのアプローチの逆をやること。そして、魔女になった友人に対し、杏さやと異なる答えを出して見せること。

彼女の苗字もずっと引っかかっていました。
「呉」と「千歳」が基地つながりなのに、なぜ「美国」なのか?中途半端です。
これ、もしかしたら「カガミの国のオリコ」、というのがかけられているのかな、とはちょっと思いました(あとは今いる自分の「美しい国」を守る、という要素、中国式での美国の「アメリカ」という意味、「アケミ」「サクラ」に語幹が被りやすい音、という条件)。

さやかシャドウともいうべきキリカは「さやかと左右が逆の」非対称なデザインとして現れます。
この人の役割は「魔女システム」に翻弄される運命に対して、さやかの逆をやること。

マミシャドウのゆまの存在意義はマミの否定ですが、これは変化球です。
味方側で登場し、マミの特徴的な記号の符号がまるまる逆になったりしています。

そういう、「影のまどマギ」ともいうべき世界が、ほむらが対峙したおりこ世界なのではないでしょうか?


それは、ほむらにとっては馴染んだ仲間たちと酷似した要素を持ち、より強い意志で立ち向かってくる人間たちがいる世界でもあります。
コネクトで「壊れた世界でさまよって私は」と言うフレーズが出てきますが、「壊れなかった」世界とほむらが対峙したら?という、夢のバトルです。



では、この対峙は本編にどう関わるのか。

相手の方が正しいかもしれない。でも、それでも踏みにじって突き進む。
おりこが自分の目的を明かしたとき、ほむらは表情を変えずに射殺しています。
だからほむらが悪い、とか、アンチテーゼだ、ということではありません。
いや、ほむらはそういうヤツじゃないと私は思うけど。

というのが、そういう「光が当てられることのなかった運命たち」のために戦うことを選んだのが、まどかだから。
おりこのような人間たちを乗り越え、見届けてきたからこそ、マミの死の後でほむらがまどかにかけた「魔法少女たちは覚悟して戦っている」という言葉の重さが増します。

ほむらにはほむらの届けたかった思いがあるし、それはおりことはまた別の土俵のものです。
相容れないから戦いになり、一方が勝った。どちらが正しい、という問題では白黒がつかない。あくまで暴力的な決着だけです。
負けたおりこの側は、ほとんどなかったかのように扱われる。文字通りの影です。

影だから消えるけど、実は影の方が人間としては正しかったのかもしれない。
そういう余韻があります。むしろ、正しいからこそ、踏みにじられる悲劇の重みが増す。
それは、ほむらの選択の重みでもある。

一方、その「なかったこと」になった人間たちの生き様を見届けることを選んだのがまどかです。
まどかをその道にいかせたのは、ほむらの言葉がきっかけになっています。
だから、おりこたちの死はひとつの悲劇ではあるけど、本編の深みを増す方向に作用します。
まどかは、ほむらの選択の重みを理解して受け入れられる人間として描かれているから。

つまり、まどかという受け手には、おりこたちの思いの重みが届くのです。ほむらの言葉を介して。
これが、おりこたちの悲劇の意味なのではないでしょうか?

おりこの豪華版杏子みたいな、あるいはキリカのさやか改みたいな、それぞれの衣装のデザインを見ていくと、そうも思えてきます。
だからこそ、ゆまは「いつかは今じゃない」と言って、魔法少女を奮い立たせる。
おりこもキリカも、最後まで心を強く持って現状を打破する。

といっても、これを赤青黄の本人たちがやるわけにはいきません。否定されるのが大前提だから。
だから、おりマギでは「コンビとしてちゃんと機能し、絶望もしない」杏さやや、「正反対の属性を持ち、有能なサポーターとして活躍する」マミといった、「本編登場人物たちの影」ともいうべき、似て非なる人たちがオリキャラの形で登場したのではないでしょうか。

どちらも、否定されるために。

否定した分だけほむらの涙は乾いていき、『コネクト』の旋律の重さが増します。
乾いた涙の裏にある思いの積み重ねを感じ取る人間と、出会う日のために。


そう考えると、おりこ☆マギカの2巻の表紙は、違った印象で見えてきます。





似たような傾向はかずみマギカにもあります。こちらも、本編の多くの要素の別の形での再合成です。

どちらもミステリー仕立てで、惨劇とともに恐怖が加速し、話が進みます。
でも、明らかになった真相には悪意や陰謀はありません。
そこにはただ、まどか本編で提示された問題に正面から立ち向かい、どうにか打破しようとした、子供たちの純粋な願いと足掻きだけが残ります。


「歴史の裏で戦っている者たちがいる。彼らを覚えている限り、あなたは一人じゃない。」
まどかマギカのテーマですが、外伝もがっちり、本編の余韻を深めるために機能しているんだなと再確認しました。


鏡の国のまどかマギカ、こと、『おりこ☆マギカ』。
「~の物語」という場合には、さしずめ「影の物語」とでもいうべきでしょうか?
今はニコニコで試し読みができます。
絵にクセがあるのでちょっと読みにくいですが、全2巻、『叛逆の物語』の前に読んでみるのも面白いかもしれません。

また、「おりこ」と「かずみ」で描かれた以外の可能性で新編は攻めてくるはずです。
新編のストーリーにリンクする可能性もありますし、そういう楽しみ方もできるかも。




 





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コメント

突然のお知らせですが、おりこ新作が2013年9月12日発売予定ですよ

065 #- | URL
2013/06/10 14:37 | edit

Re: タイトルなし

> 065さま
コメントありがとうございます。きらマギでやってたやつが本になった感じでしょうか。
キリカ主役の外伝は見た覚えがあります。内容骨太だから楽しみ。。。!

さわK #- | URL
2013/06/21 13:27 | edit

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