Blinking Shadow ホーム » ガンダムAGE »ガンダムAGE感想 42':レイナの立ち位置

ガンダムAGE感想 42':レイナの立ち位置  

42話の感想が非常に長くなったので分割します。
今回のポイントは、レイナ以外にもう一つあります。レイナの相対的な位置付けの問題です。
こんな最終局面で、ルナベースの戦いのテンポを落してまで、何であんな新キャラを出してきたのか?

今回のレイナ回は、前回のフラム回と対になっています。
同時に、レイナはフリットやキオとも浅からぬ因縁も持ちます。
その辺りを見ていきます。




【連携すげぇぇぇぇ! について】

今回地味にほっこりしたのが、フラムとレイナの掛け合いです。
この二人ケンカしてるし、Twitterで見た「フラムのことをレイナが皮肉っている」という意見には私も同感です。
レイナが割り込んで、フラムがムッとする描写もある(フリットが来る直前)。

しかし、このふたりは根底に安心感があります。
フラムもレイナも、お互いが味方だという前提を全く崩していないのです。
今回、フラムが戦っている最中にレイナが割り込む、レイナが戦っている最中にフラムが割り込む、どちらも発生しています。

前半の戦いで、レイナはFXの背後方向から来て、フラムに刃を向けています。
なのに、フラムはレイナに「(やはり)裏切ったのか!?」とは言っていません。戸惑ってはいるけど裏切りだとは思っていない。

また、後半でフラムはFXと刃を交えるレイナの斜め後から、ティエルヴァを掴むFXに向けて攻撃をしています。
かなり難しい角度なのですが、フラムはレイナをちゃんとよけてキオだけを撃っています。

42フラムの射撃_convert_20120801105156


レイナも、フラムが自分を助けに来たことを確信しており、全く疑っていません。
手柄を奪われることは警戒していますが、お互いにルールが確立した上での競争になっています。

圧巻は二人の連携。文句を言い合っているのですが、レイナはフラムの邪魔をしていません。
それどころか、フラムのリズムにぴったりレイナの攻撃が合っています。

なんなんでしょうかこれ?

なんかもう、色々凄いです。


フラムについては、前回から気になっていたことがあります。
この人、地味に物凄い自信家。自分の能力に絶対の自信を持っている。実際にそれだけの実績を上げて生きてきたのでしょう。今回もFX相手に「1機ならやれる」とかのたまわってます。おいおい。
彼女の兄のドールもマジシャンズ8のリーダーでした。
この背景と言動から逆算すると、フラムは火星のトップエリートだと思われます。


ならばレイナは?彼女の経歴も今回出てきています。

387983_474698665876680_860077300_n_convert_20120731130840.jpg

これ、とても面白い。
というのが・・・
彼女は月でMS工学で学位をとっています。で、MS隊長として数多の実績を挙げ、テストパイロットもこなしています。
階級は大佐。ただしColonelではなくCaptain。また、連邦に登録されている名前はジラード・スプリガン。

ん?
何か気がつきませんか?

Twitterで、こういう意見がありました。これがヒントです。





そうです。
レイナの経歴はフリットによく似ているのです。違うのは指揮官級にまで上ったことがあるかどうか。


そうなると、彼女はなぜジラードとして登録されたのか、非常に気になります。
連邦の温情かジラードの交渉能力の結果なのかで意味が変わります。本編で語ってほしいけどやっぱ無理かなぁ。



もうひとつ。
彼女にはことあるごとに「エースパイロット」の呼称がついて回っています。これは一般的な呼称ではなく、軍内で特別な定義を持つ言葉なのではないでしょうか?つまり、「凄腕」とか「エリートパイロット」という言いかえができない、一定の戦果を挙げたり組織に表彰されたりしないと名乗れない。
経歴には書いていなかったのですが、彼女について連邦の人間が評するときには必ず「エースパイロット」の呼称がついて回ります。ウルフですら言ってもらえなかったのに。

つまり、パイロットとしてはレイナは連邦のトップエリートなのです。この点、レイナとフラムは格が並びます。

だから、

フラムとレイナがキオと戦う
    =ヴェイガンと連邦のトップエリートが同じ敵を前に協力して戦う


です。
その連携はフラムがベースになり、そのリズムにレイナが乗る。


これはとんでもないことです。歴史的な瞬間です。
即席のドリームチームがほぼ完璧に機能しています。ちょうどオリンピックだし。


ヴェイガンと連邦は敵同士。憎しみのためにレイナはヴェイガンを利用している部分はあるだろうし。
個人レベルでもお互いに文句を言って、いがみ合ってもいる。

なのに。
初めて出撃したフラムに、つまりフラムのMSの動きは初めて見るはずなのに、レイナがそのリズムに合わせて意図を汲んでいる。


はい

「人は分かり合える。」

ガンダムに共通するテーマですが、これ以上に明確な証拠も少ないと思います。


これは、ゼハート隊のありようとも関係してくるはずです。
前々回から言っていますが、ヴェイガンの中にレイナは生き場を得たのではないでしょうか?

レイナの過去に対し、キオは無遠慮に「説明しろ」といいます。フリットはレイナの存在を否定しています。
でもゼハートもフラムも、レイナを対等の味方として受け入れています。彼らの判断基準はレイナが役割を果たしているかどうか。レイナが誰か?では差別していません。

キオは人間同士が争わない世界を求めて戦っています。そのためにAGE-FXという強力な力を行使している。
でも、その彼の初陣の敵こそが、じつは彼の求める世界を体現しています。この皮肉な構図は非常に良い。



【フラムとレイナ】

また、フラム・ナラとレイナ・スプリガンは対になっています。
ゼハートに近付くためにフラムはフロストというを偽りました。今はゼハートとの未来のために戦っています。
レイナはジラードの命を継ぐために、レイナではなくジラードのを名乗るようになりました。今はジラードとの過去のために戦っています。
また、フラムの形質はユリン(フリットの失ったもの)に酷似し、レイナの経歴とありようはフリットの辿った道を彷彿とさせます。レイナには「命は玩具じゃないんだぞ!」と言う資格がある。
どちらも、その主張のために実に生き生きと戦う。

今回で「ヴェイガンは殲滅する!」とフリットが突っ込んできました。
彼は、この二人に何を見出すのか?
ていうかファルシアに気づけよジジイ。



【FXとティエルヴァ】

因縁、といえばキオとレイナ、AGE-FXとティエルヴァの縁も面白いです。
レイナは恐らく、劇中世界でただ一人純粋にAGE-FXに全力以上の全力で挑める人間です。彼女の復讐対象がFXだから。
また、彼女の生き場をふざけた思想で壊しにきた人間がキオでもあります。
ヴェイガンと馴染んでいるところに、「みんなわかりあえる」とか言って攻めてきているのがキオです。
そして、レイナはキオ同様に「どちらの世界も知っている」人間。だから、

レイナだけは、キオの主張に完全なNOを突きつけることができます。

そういう人間が駆るMSが、ティエルヴァ。
この機体はAGE-FXとは兄弟のようなものです。
前回の記事にいただいたコメントから、ちょっと図を作ってみました。


AGE技術系統

黒が確実に影響しているもの、赤線が影響したと思われるものです。

ティエルヴァは工房から提供されたMSです。Gバウンサーを工房が独自発展させたものと思われます。
レイナが実験していたGバウンサーの技術がAGE-FXに反映されたと考えると、AGE-FXとティエルヴァは腹違いの兄弟のような関係になります。

というか・・・

工房系MSとガンダム系は、どっちが強いのか?

これはAGEのファンなら見たい対決なのではないでしょうか?
やる気満々のエースが工房の最新鋭機でガンダムに挑む。この頂上決戦は燃えます。



とはいえ、こうした事情の中でジラードは生き残ることはできるのでしょうか?
そして、敗色濃厚なゼハートたちは、どうやってあの場所から脱出するのか?

アセムたちの味方になる気配も見せないまま、ルナベース攻略戦はいよいよ最終局面に突入します。


今回の叩き台の話や引用元はこちらになります。次回は急いでみます。



アセム編と併せて思ったのは、AGEは相手の背負う背景や意味がわかってから見返すと真の見応えが出てくる、と言うこと。
逆に言うと、直感に訴えるものは弱いのかなーと思います。そもそも見返さねーよwと言う問題。
でも、大人になっちゃったガンダムファンだからこそ、子供向けを楽しむのに頭を使ってもいいのかな?とは思います。





【皆様へお願い】
最後までお読み下さってありがとうございました。
この記事を読まれて少しでも共感するところがあったら、お手数ですがイイネやランキングへの投票などのフィードバックをお願いします。
皆様のご支援が、次回以降にご提供できる記事の質の向上に直結します。


にほんブログ村 アニメブログへ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

category: ガンダムAGE

thread: 機動戦士ガンダムAGE

janre: アニメ・コミック

tb: 0   cm: 3

コメント

まさかの前後編考察乙です。レイナの経歴シーンを分析とかガノタすぐるw

レイナとフリットが似ている、というのは同感です。
アニメやゲームで主人公やヒロインと対象性のあるキャラクターが出てくるのはよくある話ですが、それが旧主人公と…というのは珍しい(ジジットこそ真の主人公だ、という意見もあるでしょうが)。
これはやっぱり、「キオとフリットは(内面で)対立している。でも戦わせるのは…」ということなのでしょう。
Gエグゼス系統のMSパイロットは、毎世代重要な役割を担っていますね。

ティエルヴァ+レイナ強すぎw
キオ>ゼハート>ジジット>フラムぐらいだと思うのですが、今回でレイナ(+フラム)=キオ>ゼ…になっちゃった。
アセム編では使われなかった「Xラウンダーの共振」を故ジラードと起こしていると見ていいのかな?
ラストで何か起こってたし。ティエルヴァにも異変……マッドーナェ。

アッシュの「それでも俺は言う!」は“アセム”を彷彿とさせられました。
雰囲気にしろ物言いにしろかなり変わった彼ですが、戦場で我を通す所は変わってない様子。
Xラウンダーが異常を感知している中「?」なのも変わってないw
ファンネル系でドンパチやってる中、一人だけ槍でガッキョンガッキョンやってるのも“らしい”……か?
超主観ですがアッシュってヘルメット越しだと若い…むしろ幼く見える。

キオ編2話目でセリックがジジットに「今は司令じゃない!」と言ったのは、セリックの“デキる”部分を表していたと言われています。
が、今回金髪オペ子がジジットが退出してからレイナの事を聞いていたことから、ディーヴァでもジジットの評判は悪いように感じました。
思い返せばゼハート&ザナルドに包囲された時も、クルーはジジットの命令ではなくナトーラ艦長の意思を尊重していました。
どうもディーヴァ内ではジジットの「ヴェイガン殲滅」は受け入れられていない様子。
ディーヴァを“家”とするなら、そこで「お帰り」と言ってくれるのは間違いなくクルー。
では「ただいま」を言うのは、迎えてもらえるのは……。

長文失礼しました。ノシ

AGE-FXの装甲どうなってんの……

往くのみ #- | URL
2012/08/01 20:31 | edit

すいません。追記です。

フリットの人物像が出てきたので、彼を形作るのに大きく影響した人物について書きます。

・ユリン
ヴェイガンの犠牲者。故ジラードと同じく『(愛情→)憎悪』『敵を倒す力』を残す。
フリットしか見ていない(=世界が狭い)。
・グルーデック
犠牲者であり加害者。『戦う意思』を残す。
自身の行為は「正しくない」としている。

フリットは『ヴェイガンへの憎悪と敵意』、それを実現する『戦う力』を持った、被害者面した加害者となる。
ヴェイガンを敵としか見ていない。

ジジットとレイナは確かに似ています。故ジラードもユリンと立ち位置では似ています。
が、グルーデックは誰とも似ていません。
「フリットはグルーデックの意思を継いだ。だからフリット≡グルーデックだ」と言われそうですが、私はフリットが継いだのは『ヴェイガン憎し』の部分だけだと思っています。
なぜならフリットは自分の行為を絶対としています。しかし、グルーデックは劇中でも自分の行為は「自分勝手」と言っています。
※ウルフも小説で「自分は人の親になる資格はない」としています。
これは『00』のロックオン兄の「咎は受けるさ」と同じカンジでしょう。
実際彼は裁きを受け、アセム編で死にゆく時も恨みの一つも言っていません。

全編を通してのフリットに同じことが出来るのか? すでに答えの一部は出ています。
アセム編最終話、フリットは自身を『正義』としない者達を粛清しました。

内通は確かに罪です。ですが、あの時のオルフェノア首相の言葉は「ふざけるな」で片付けて良かったのか?
首相の取ろうとした道はある意味アッシュと似ています(動機は異なるが)。
当然フリットはアッシュの言葉も「ふざけるな」と切り捨てています。
キオから火星の現状を聞いても「ふざけるな」でした。
年月を経ても、あるいは年をとったからこそ、フリットはグルーデックとは離れている。私はそう思います。

かつてフリットがグルーデックと握手できなかった意味ももしかしたらここにあるのカモ。ノシ

往くのみ #- | URL
2012/08/02 00:01 | edit

いつもお付き合いありがとうございます。遅くなり申し訳ありません。
レイナの霊は成仏したのでしょうか・・?

なりゆきで半端な考察ができなくなりました。
強いられて狂いますが「狂気を理解してお付き合い」いただければ幸いです。
損をさせないようなものを出していくので。

レイナの死の意味、経歴を出した意味、44話でクリアになったように思います。

―「ヴェイガン」と決め付けるにはあまりにも違いすぎる人間をあえて出し、フリットに殺させた。―

いっぽう、Xラウンダー能力の説明はまだ。話が終わるまでにあるのかどうかも微妙。
アセムについては次回で多少拾ってくるはずですが、他はどうなることやら・・・

ジジット自体は軍では明らかに嫌がられていたように思います。
ただ、状況を考えると前線の連中のあの雰囲気の方がおかしいようにも感じるわけで・・・
前線同士は敵味方超えて「やってらんねー」で共通しているのでしょうかね?
ただ、それもゼハート隊とザナルド隊では温度差がありそうですが。

その辺は、日野さんあんまり考えてなさそうに思います。


ユリンについては情報が少ないのでなんとも。
確かに、登場時点の彼女の世界は狭い。ただ、彼女のキャッチアップ能力が凄まじい。
ユリン、とんでもないタマです。詳細ここにまとめてます。ブログの記事にする予定です。
http://togetter.com/li/338445

ここまで踏まえて、フリットの「仕掛け」はまだ十全に解き明かされていないように思います。
グルーデックは自分のやっていることを悪い、とわかっていて、自分が人殺しだとも認識している。
でもフリットは違う。ある意味少年の純粋さが残っています。自分の矛盾にも実は耐え切れない。


答えの一部は今までのエピソード(14話、15話、とはアセム編)に埋まってるのかなー、と思ってます。

さわK #- | URL
2012/08/21 00:45 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://chiqfudoki.blog.fc2.com/tb.php/159-c1e5e356
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

検索フォーム

最新記事

最新コメント

アクセスカウンター

オススメ

▲ Pagetop